
今回はFX取引においてよく出てくる用語である「証拠金維持率」の計算方法などを紹介していきます。
ちなみに、そもそも「外国為替『証拠金』取引」の別名がFXなんですよね。
目次
FXにおける2種類の証拠金を理解しよう
証拠金維持率の計算方法を理解するためには、まず以下の2種類の証拠金について把握する必要があります。
- 必要証拠金
- 有効証拠金
①必要証拠金
「その金額で取引するために、必要な証拠金」のことを必要証拠金と言います。
具体的な数字を交えつつ、計算方法を挙げてみます。
ドル円:100円
取引量:10万通貨
レバレッジ倍率:100倍
取引額=100円×10万通貨=1,000万円
必要証拠金=1,000万円÷100=10万円
という事になります。
言い換えると、
取引額=レート×取引量
必要証拠金=取引額÷レバレッジ倍率
という事ですね。
「ハイレバレッジ取引だと大きな金額を動かせる」とよく言いますが、
つまりは「ハイレバレッジ取引だと、取引額が大きくても必要証拠金は小さくて済む」ということです。
②有効証拠金
「トレードに利用できる証拠金の残額」のことを「有効証拠金」と言います。
計算方法は
有効証拠金=口座残高+全ての含み益(損)
です。
つまり、「いくら口座残高が高くても、含み損が大きければ、有効証拠金は少なくなってしまう」ということですね。
証拠金維持率とは?計算方法は?
証拠金維持率の計算方法は以下のとおりです。
証拠金維持率=(有効証拠金÷必要証拠金)×100
例えば
口座残高(有効証拠金):50万円
円ドルレート:100円
購入量:10万通貨(1000万円)
レバレッジ倍率:500倍
だとします。
※有効証拠金について分かりやすくするために、含み益(損)はちょうどゼロであるとします。
まず、
必要証拠金=1000万円÷500(倍)=2万円
先ほどの「証拠金維持率の計算方法」に当てはめると、
証拠金維持率=(50万円(有効証拠金)÷2万円(必要証拠金))×100=2,500パーセント
という事になります。
FXの証拠金維持率の計算方法!レバレッジ倍率が変わるとどうなる?
今度は
口座残高(有効証拠金):50万円
円ドルレート:100円
購入量:10万通貨(1,000万円)
レバレッジ倍率:100倍
だとします。
レバレッジ倍率以外の条件は変えません。
すると、
必要証拠金=1,000万円÷100(倍)=10万円
証拠金維持率=(50万円(有効証拠金)÷10万円(必要証拠金))×100
=500パーセント
という事になります。
次に
口座残高(有効証拠金):50万円
円ドルレート:100円
購入量:10万通貨(1,000万円)
レバレッジ倍率:800倍
だとします。
必要証拠金=1,000万円÷800(倍)=1.25万円
証拠金維持率=(50万円(有効証拠金)÷1.25万円(必要証拠金))×100
=4,000パーセント
となります。
まとめると、
レバレッジ倍率を下げる→証拠金維持率が下がる
という事になります。
別の言い方をすると証拠金維持率を高める方法としては、
- レバレッジ倍率を上げる
- 取引額を下げる
- 口座残高を増やす(当然ですが)
の3つがあると言えます。
これらは国内FX業者でも海外FX業者でも一緒です。
証拠金維持率が下がるとどうなる?
証拠金維持率が下がると、ある段階でロスカットが発生します。
つまり、「証拠金維持率が落ち続けると、自動的に損切りされる」という事です。
「ある段階でロスカットが~」と表現したのは、FX業者によって「ロスカットを発動させる証拠金維持率」が違うからです。
例えば「証拠金維持率100パーセント」で発動するところもあれば、「証拠金維持率20パーセント」のところもあります。(この基準のことをロスカットラインなどと言います)
ロスカットを恐れず伸び伸びとFX取引をするためにも、できる限り「ロスカットライン50パーセント以下」のところを選びましょう。
ちなみに、「証拠金維持率:100パーセント未満」になったところで通知を入れてきたり、新たなポジション保有ができなくなったりするFX業者が多いです。
FXでの証拠金維持率はどれくらいが理想?
証拠金維持率ですが、例えば「20パーセントでロスカットされるから、50パーセントくらいにしておけばいいや」という発想は危険です。
急激なチャート変動などで証拠金維持率が一気に下がる危険性があるからです。
私としては証拠金維持率は少なくとも300パーセント以上、できれば1000パーセント以上にしておくことをおすすめします。
では、先ほども触れましたが証拠金維持率を高くする方法を改めておさらいしましょう。
- 口座残高を増やす
- レバレッジ倍率を上げる
- 取引額を下げる
①口座残高を増やす
もっともシンプルな方法ですが、ほとんどのFXトレーダーにとっては「それができれば苦労はしない!」という話だと思います。
それに「証拠金維持率が下がってきた……入金……また下がってきた入金……」などとなると精神衛生上よくありませんし、生活費などの大事なお金も勢いで使ってしまう可能性があります。
基本的に採用しにくい方法だと考えてください。
②レバレッジ倍率を上げる
先ほど計算方法を紹介した際に「レバレッジ倍率が高いと、こんなに証拠金維持率が上がるの!?」と感じた人もいるかと思います。
その通りです!
「レバレッジ倍率を上げる作業」には何の制限もありませんから、この方法をおすすめします。「上げる」と言うよりは「最初から高くしておく」という表現が相応しいですね。
③取引額を下げる
これも「最初から取引額は小さくしておく」という事です。
ちなみに、あまり取引額を上下させると混乱しやすくなるので、できる限り固定しておきましょう。
海外FX業者がおすすめ!国内FX業者は使いにくい!
海外FX業者のほうが国内FX業者に比べて使いやすいです。
その主な理由は以下のとおりです。
- レバレッジ倍率を高くできる
- ゼロカットシステムがある
①レバレッジ倍率を高くできる
国内FX業者におけるマックスレバレッジ倍率は25倍までです。
ですが、海外FX業者であれば多くのところが100~3000倍くらいですので、証拠金維持率を上げやすいです。
②ゼロカットシステムがある
相場の急激な変動などの影響で口座残高がマイナスになると、莫大な借金が発生する可能性があります。
ですが、ゼロカットシステムがあればその心配はありません。
元の口座残高が10万円だったのであれば、最大でも10万円の借金しか発生しません。
ですから、安心してハイレバ取引ができますよ。
※国内FX業者には法律の都合上ゼロカットシステムはありません
※ゼロカットシステムを設けていない海外FX業者もあります
まとめ:「証拠金維持率の計算方法」なんて考えなくていい状況を作ろう
FXにおける証拠金維持率の計算方法を紹介しました。
です。
しかし、レバレッジ倍率を上げれば簡単に証拠金維持率を数千パーセントまで持っていくことが可能です。
ここまでいけば、証拠金維持率の計算方法は……?などと考える必要はなくなりますよね(もちろん忘れてはいけませんが!)。
あとは、「ハイレバ取引可能&ゼロカットシステムあり」の海外FX業者で、ご自身のトレードルールに従ってコツコツと利益を出していきましょう。