タックスヘイブンを利用して海外FXの節税をすることは可能?

海外FXをする上で1つポイントとなるのが「節税」です。

今回は、「タックスヘイブンを使って海外FX関係の節税をすることは可能か」どうかを見ていきましょう。

そもそもタックスヘイブンとは?

タックスヘイブン:税率が非常に低い、もしくはゼロになる地域のこと

タックスヘイブンは、税負担の低さなどが注目される国・地域を指して使われる言葉です。ただし、現地の税率が低いことと、日本の居住者や法人の納税義務がなくなることは同じではありません。

海外FX業者の所在地だけを見て、利用者の税率や制度の適用を判断しないようにしましょう。

タックスヘイブンに海外FX用の法人を作るだけではダメ

理屈の上では、

海外FX用の法人をタックスヘイブンに作る→その口座でFXトレードを行う

という手順さえ踏めば「タックスヘイブンを利用した節税」ができそうです。

 しかし、1978年に「タックスヘイブン対策税制」ができたので、現在ではそれほど簡単にタックスヘイブンによる海外FXの利益の節税はできなくなっています。

タックスヘイブン対策税制(外国子会社合算税制):一定の外国子会社等の所得を、日本側の所得に合算して課税する制度 

です。 

タックスヘイブンの利用を考える前に確認したい3点

税率の低い国に会社を作れば、日本の課税を自動的に避けられるわけではありません。 

よく紹介される次の3つの説明も、それだけで節税できる方法ではありません。それぞれ確認が必要です。

  1. 出資比率を下げる手法
  2. 「日本非居住者」に協力してもらう方法
  3. 「日本」と「タックスヘイブン」にそれぞれ会社を作る手法

1.出資比率だけで判断しない

出資比率を10%未満に分ければ必ず課税を避けられる、という説明は正しくありません。外国子会社合算税制では、関係者の保有や実質的な支配、事業実態なども判定に関係します。名義や人数だけを変えた仕組みを、確実な節税方法として使うことはできません。

2.「日本非居住者」の名義だけで判断しない

家族が海外で株式の過半数を保有するだけで、日本側の課税がなくなるとは限りません。居住者の判定、関係者の範囲、実質的な支配などを確認する必要があります。海外に住む親族へ名義を移す方法と、事業の実態が海外にあることは別です。

3.外国子会社の配当とFXの利益を分ける

一定条件を満たす外国子会社からの配当に95%の益金不算入が適用される制度はありますが、会社の売上の95%が一律に非課税になる制度ではありません。子会社の利益に対する外国子会社合算税制なども別に検討が必要です。二つの会社を作るだけで、FX利益の税金がゼロになるわけではありません。

例えば、条件を満たす配当100万円に95%の益金不算入が適用されるなら、対象となる配当のうち95万円を益金に算入しないという意味です。売上100万円やFX利益100万円の95万円が、同じ理由で非課税になるという計算ではありません。

海外法人でも実態・記録・申告が必要

会計報告義務が限定される地域に会社を作っても、日本で必要な申告が不要になるわけではありません。実態のない経費を計上して利益を消すことも認められません。合法的な事業構造の検討と、架空経費や所得の隠蔽は明確に区別してください。

海外FXにおける「タックスヘイブンを使った節税」はあり?なし?

海外FXにおける「タックスヘイブンを使った節税」はありか?なしか?

「アリかナシかは、しかるべきタイミングで専門家と相談して決めるべき」です。

  その理由は主に2つです。

  1. 設立・維持費と日本での課税を含めて比較
  2. タックスヘイブン関係のルールは変わりやすい

1.設立・維持費まで含めて検討する

ここで取り上げた外国会社を使う方法には、会社の設立・会計・申告などの管理が伴います。「年収800万~1,200万円を3~5年続ければ有利」といった共通の基準はありません。

外国会社の維持費や実際の事業運営、日本側の合算課税、資金を個人へ移す際の扱いまで比較する必要があります。国内の法人化を考える場合も、個人と法人の税金・維持費の違いを先に整理しておきましょう。

2.タックスヘイブン関連のルールは変わりやすい

タックスヘイブン関連のルールは変わりやすいです。 

たとえば、「海外FXトレードを頑張って5年後には法人化し、タックスヘイブンを使って節税しよう」と考えても、5年後にはどのようなルールになっているか分かりません。 

検討する国や会社の実態が決まった段階で、国際税務を扱う専門家に確認しましょう。過去の節税例だけで、今も同じ扱いになると決めつけないことが大切です。

海外FXの取引条件と税金は分けて比較する

法人化するかどうかと、どのFX業者・口座を使うかは別々に検討します。

海外FXでは次の取引条件が注目されますが、いずれも税負担や利益の保証ではありません。

  1. ハイレバトレードができる
  2. ゼロカットシステムがある
  3. ボーナスが豪華

1.ハイレバトレードができる

国内の個人向けFXでは、証拠金規制によりレバレッジは最大25倍です。一方、海外FXは業者・口座・銘柄・保有額などで上限が変わります。

上限が高いことと、稼ぎやすいことは同じではありません。同じ資金で大きな数量を持てば、値動きによる損失も大きくなります。節税を見込んで取引数量を増やすのではなく、許容できる損失額から考えましょう。

2.ゼロカットシステムがある

ゼロカット:口座残高がマイナスになったケースで0まで戻してくれるシステム

ゼロカットを採用する業者でも、適用条件は規約で確認が必要です。口座の損失そのものや、業者への預け金の安全性まで保証するものではありません。

国内業者のロスカットも、相場の急変時などに預けた証拠金を上回る損失を必ず防ぐものではありません。

3.ボーナスが豪華

  • 口座開設ボーナス:対象口座・本人確認・開催期間などを確認
  • 入金ボーナス:付与率・上限・出金時の扱いなどを確認

など、開催中の条件を確認して比較します。受け取ったクレジットが、そのまま出金できる現金や日本の税金の控除額になるわけではありません。

まとめ:タックスヘイブンを使って海外FXの節税をするのは難しい

タックスヘイブンに会社を作るだけで、海外FXの利益に日本の税金がかからなくなるわけではありません。外国会社の所得、合算課税、配当はそれぞれ分けて考える必要があります。

確認する段階主な確認点混同しやすいこと
外国会社で利益が発生所在地の課税と事業実態現地税率だけで日本の税金もゼロと考える
日本側で所得を計算外国子会社合算税制の適用配当しなければ合算課税もないと考える
外国会社から配当配当益金不算入の対象・保有条件売上やFX利益の95%が非課税と考える
個人が資金を使う受取り方と本人の税務会社のお金を個人資金と同じに扱う

専門家に相談する際は、会社の持分関係、現地の事務所・管理体制、所得の内訳、維持費を整理しておくと話が具体的になります。税率だけで判断せず、必要な管理と費用を含めて検討しましょう。

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