FX未経験~初心者の人であれば誰でも考える「ずっと持っておくことができれば、勝てるのでは?」という疑問にお答えします。
目次
そもそもFXでずっと持っておくことはできる?
まずは「現実的にどうか」「戦略的にどうか」ではなく、「ルール上、FXでずっと通貨を持っておくことはできるか」という点についてです。
これについてですが、特に「保有期間の上限」などはありません。
ですから、10年でも20年でも100年でも通貨を持っておくことが可能です。
FXでずっと持っておくのはおすすめしません
ですが、私はFXでずっと通貨を持っておく事はおすすめしません。
その理由は主に4つあります。
- 精神的に辛い
- 依存しやすい
- 効率が悪い
- いつかルールが変わらないとも言い切れない
それぞれについて見ていきましょう。
①精神的に辛い
何か明確な目的があってずっと持っておくのであれば良いですが、「損失を出したくない」「いつか利益が出る」など、「根拠なし」でずっと持っておくと、精神的に非常に辛くなります。
FXのチャートが気になり過ぎて、仕事や趣味に手がつかなくなるかもしれません。
そうでなくても、気が散って「別のFX取引」に支障をきたすかもしれません。
「でも、本当に放置しておくつもりだから大丈夫」と感じるかもしれませんが、強制ロスカットを発生させたくないのであれば、必要証拠金維持率を下回らないように適切にお金をつぎこんでいく必要があります。
②依存しやすい
「ずっと持っておく作戦」を実行して失敗した場合は、「2度とやらない!」という気持ちになるはずです。
ですが、それで利益が出てしまうと強烈な成功体験として刻み込まれて、「含み損が大きいけれど、またずっと持っておけばいいかな」と、依存してしまう可能性があります。
③効率が悪い
簡単に言えば「数か月~数年放置して、少しの利益を出すことに意味があるのか」という事です。
例えば、FXトレード一本で生活するのであれば少なくとも月収50万円は必要とされています。ずっと持っておく事で利益効率を下げているようでは、月収50万円に到達するのはまず不可能です。
「でも放置しておくんだから、時間は無駄にならない」というのも理屈の上では正しいのかもしれませんが、先述のとおりメンタル面に影響を及ぼす場合があるのでやはり推奨しません。
④いつかルールが変わらないとも言い切れない
繰り返しになりますが、現在のFXは「いくらでもずっと持っておくことができる」というルールになっています。
ですが、それが今後も絶対に変わらないとは言い切れません(話半分で聞いていただきたいですが)。
例えば「今度から3カ月以内に売るというルールにします。今ずっと持ち続けている人は、半年の猶予を与えますのでそれまでに売ってください」などの事態になる可能性がゼロではないわけです。その際、「半年では絶対にプラスにならない」という状態になっていれば手遅れです。
また、「FXのルール変更」よりもさらに考えにくいですが、「通貨・為替関連の大幅なルール変更」があればFXも影響を受けるかもしれません。
すでにFXでずっと持っておく作戦をしている人はどう対処すべき?
では、「そう言われても、もうずっと持っている……」という人はどうすればいいのでしょうか。
主な選択肢は3つあります。
- それでも我慢する
- 損切りする
- ナンピンする
①それでも我慢する
もちろん、「それでもずっと持っておく」という手段もあります。
私としてはおすすめしませんが、それでも以下の条件を全て満たしているのであれば、試しても良いかもしれません。
全額失ってもいい
精神的に楽ですよね(そもそもFXはそういう資金で行うべきですが)。
ゼロカットシステムがある海外FX業者を使う
ゼロカットシステムがあれば残高がゼロを切ってもゼロに戻してくれます。つまり完全に放置していても自己資金以上の借金は発生しないという事です。
「ロスカット回避」に全力を出さない
つまり「証拠金の補充」に必死にならないという事です。「強制ロスカットになっても構わない」というくらいの気持ちでいましょう。
※ちなみに国内FX業者にはゼロカットシステムはありません。また、海外FX業者のなかにもゼロカットシステムがないところが存在します。
②損切りする
思い切って損切りするという方法もあります。
と言いますか、この手段が一番おすすめです。
- マイナスが大きいほど精神的に辛い
- 損切り直後に反転するとさらに辛い
などのデメリットがありますが、とにかく「気持ち」と「状況」がスッキリすることは確かであり、その後安定した精神状態でFX取引に臨むことができるはずです。
なかなか気持ちが切り替わらないのであれば、旅行に行ったり美味しいものを食べたりしましょう(本気で言っています)。
そして「2度とずっと持っておくはしない!」と心に誓いましょう。
ちなみにこの場合の損切りですが、タイミングは「今すぐ」で良いと思います。
特殊なシチュエーションですし、「さっさと精神的に楽になること」を優先しましょう。
「あと0.1円動いてから……」などと考えていると、踏ん切りがつかなくなるかもしれません。
ただし、普段のFX取引では「損切り基準」をきちんと決めておくべきです。
③ナンピンする
例えば、「100円で購入したのに、99円に下がった」場合に、「99円でさらに買う」という手法のことをナンピンと言います。
一見危険ですが、これなら99.5円まで上がってくれれば、そこで売ればプラスマイナスゼロになります。
ナンピン買いをしていない場合は、100円まで上がってくれないとマイナスが解消されませんよね。
ですが、99円からさらに下がれば、さらに含み損が大きくなります。
一応、98円になったら買って……97円になったら買って……ということもできますが、いつか限界が来ますよね。
そのまま大損失……となってもおかしくありません。
それでも、「相場が反転するタイミングが高精度で予測できる」のであれば、ナンピンは有効かもしれません。
しかし、言い方は悪いですが、「ずっと持っておくような状況に陥る人に、そこまでの実力があるとは考えにくい」ですから、やはりナンピンは推奨しません。
一応「ずっと持っておくことの意味」だけは知っておくべきです
投げやりに「ずっと持っておく!」と考えてしまうのは問題ですが、「理由があってずっと持っておく」ならアリかもしれません。
また、「ずっと持っておく作戦」と「別のFX戦略」を組み合わせることで、もっと有効な戦略が見つかるかもしれません。
さらには、ずっと持っておくのではなく「最大○日間持っておく」などと決めておくのであれば、悪くはないかもしれません。
ですから、「ずっと持っておくこと」そのものを完全に選択肢から外すのもおすすめしません。
まとめ:FXでずっと持っておくのは基本NG!
今回は「FXでずっと持っておくとどうなるか」について解説しました。
まず、「ずっと持っておく自体は可能」です。
しかし、
- 精神衛生上悪い
- クセになりやすい
- 効率が悪すぎる
- ルール自体が変わる確率もゼロではない
という問題があるので、おすすめしません。
ただし、
- 全額消えてもいい
- ゼロカットシステムがある(海外FX業者限定)
- 強制ロスカット回避にこだわらない
のであれば「絶対にダメ」とは言えません(筆者はやりませんが)。