
今回は、FX戦略でよく耳にする「逆ナンピン(逆張りナンピン)」について解説していきます。
有名な方法ですが勝算はあるのでしょうか?
目次
逆ナンピンの具体例
「定義」ではなく「具体例」をご覧いただくほうが分かりやすいはずです。
ドル円が100円から、突然1円下がったので、10万通貨購入します。
そこから0.5円下がったので、10万通貨購入します。
そこからさらに0.5下がったので、10万通貨購入します。
(購入量も決めましたが、無視したほうが理解しやすくなります)
まとめると
・99円で10万通貨
・98.5円で10万通貨
・98円で10万通貨
買っています。
「エントリー金額の平均」は98.5円ですから、98円→98.5円まで回復するだけでプラスマイナスゼロになりますよね。
元々2円も下がっているわけですし、0.5円程度なら上がる可能性が非常に高いです。
一見自殺行為に感じるかもしれませんが、理にかなっている作戦です。
つまりは、「どうせ戻るのだからたくさん買っておこう」という事ですね。
逆ナンピンのメリット
まず、逆ナンピンの主なメリットは以下のとおりです。
- 勝率が高い
- あまり考えなくていい
それぞれについて解説していきます。
①勝率が高い
基本的には「チャートが大きく動いたのだから、どうせどこかで反転する」と考えて逆ナンピンを行うことになります。
そして、大抵の場合は本当に反転するので勝率は非常に高いです。
②あまり考えなくていい
逆ナンピンで本気で勝とうと思ったら、「どのタイミングで買うのか」「どれくらい買うのか」をその都度真剣に計算しなければなりません(またはマイルールを固めておく)。
ですが、多くの場合は先ほど紹介したような雑な買い方でも勝ててしまいます。
逆ナンピンのデメリット
続いて逆ナンピンの主なデメリットを見ていきましょう。
- 絶対に反転するとは言えない
- 失敗したら大損する
- 損切りしにくくなる
①絶対に反転するとは言えない
すでにお気づきの方もいると思いますが、逆ナンピンを実行したからといって、絶対に相場が反転してくれるとは限りません。
「そんなの我慢強く待っていればいいだけでは?」と感じるかもしれませんが、例えば「ユーロ$が、約1カ月で6円下がり続けた」という事例があります。
ここで逆ナンピンを実行していた人は、悲惨な状態になったことでしょう。
②失敗したら大損する
「①」の話の続きですが、「万が一反転しなかったら、損失になる買い方」を連続的に行うことになるわけです。
ですから、「①」のように本当に反転しなければ、大損害を被ることになります。
たとえ逆ナンピンで「ほとんど」勝てていたとしても、たまに発生する負けの影響で、トータルではマイナスになってしまうかもしれません。
③損切りしにくくなる
勝率の高い逆ナンピンであっても、「これ以上耐えられない」というタイミングで損切りをすべきです。
ですが、無計画に逆ナンピンで大量に買っていると、「そろそろ反転する!」という根拠のない思い込みをしてしまって、そのまま強制ロスカットに到達する恐れがあります。
だからこそ、上手なFXトレーダーは「○円まできたら損切りする」と決めておくわけですが、その場合でも「逆ナンピンの魔力」に負けてしまって、損切りを遅らせる恐れがあります。
逆ナンピンが向いている人
逆ナンピンが向いている人は以下のとおりです。
- 「失っていいお金だけを使う」ことを徹底できる人
- チャート分析に自信がある人
- 損切りラインを厳守できる人
- 精神力が強い人
①「失っていいお金だけを使う」ことを徹底できる人
「逆ナンピンに失敗すれば、大損失を被る」とは言いましたが、元の投資金額以上を失うことはないわけです(その理由は後述)。
ですから、「失っていいお金をだけを使う」ことを徹底できるのであれば、むしろ「勝率が高い、良い方法」と言えるでしょう。
②チャート分析に自信がある人
各種分析に慣れていて、「これくらいで反転するはず」という事がある程度予測できるのであれば、逆ナンピンは強力な手法となります。
そのレベルのFXトレーダーであれば、「ここで○円買う、ここでは△円買う、ここでは……」などの計算も上手にできるはずですしね。
③損切りラインを厳守できる人
繰り返しになりますが、何があっても損切りラインを守ることができる人でないと、逆ナンピン手法は向きません。
もちろん「もっと伸びる!」と欲張るのもNGですから、利確ラインも厳守できなければなりません。
④精神力が強い人
「損切りラインを守る」と聞くと、どうしても「ずるずる損切りを遅らせる」ことを想像するかと思います。しかし、その反対もあります。
特に逆ナンピンをしている人の場合は、「まだ損切りラインではないけれど、怖いからもう損切りする!」という行動に出る方が少なくありません。
根拠があって損切りラインを設定しているはずですので、妙に弱気になるのもNGです。
また、「損切りをした直後に急上昇した」などのことがあると、一時的に多大なショックを受けるかもしれません。ですが、それでもすぐに気持ちを切り替えられるだけの精神力が必要です。
実際、プロトレーダーはどれだけ負けても、自分で作ったトレードルールを破っていないのであれば、「トータルで勝つための過程」としか考えません。
逆ナンピンをするなら海外FXがおすすめ
「逆ナンピンで、強制ロスカットが追い付かない」というトラブルが起きれば、「自己資金を超える借金」が発生する可能性があります。
ですが、海外FX業者のなかには「ゼロカットシステム」を搭載しているところが多いので安心です。
ゼロカットシステムとは、「残高が0を割ったら、0まで戻してくれるシステム」です。
そのため、海外FX業者であれば自己資金を超える負債が生じる事はありません。
「口座登録ボーナス逆ナンピン」もおすすめ
また、海外FX業者のなかには2,000~30,000円程度の「口座登録ボーナス」を用意しているところもあります。本当に新規登録するだけで、投資資金をくれます。
乱暴な言い方ですが、ある意味「どうせ自分のお金ではない」ので、勝率の高い逆ナンピン手法に挑戦してみるのも良いでしょう。
そして、
負けた場合→:逆ナンピン手法は中断して、FXをやめるか自己資金を用意する
いずれにせよ、一旦逆ナンピン手法はやめることをおすすめします。
初心者のうちは「運任せ」になりやすいですし、「あまり考えなくていいぶん上達しにくい」からです。
まとめ:投げやりな気持ちで逆ナンピンを使うのはNG!
今回はFXにおける逆ナンピン手法について紹介しました。
- 勝率は非常に高い
- ある程度雑に買っても勝ちやすい
などもメリットがありますが、
- 裏を返せば「絶対に負けないわけではない」
- 負けたときのダメージが大きすぎる
といったデメリットがあります。
ですから、本格的に逆ナンピン手法を取り入れるのは、FXの技術が中級~上級レベルになってからにする事を推奨します(もちろん必ず導入しなければならないわけでもありません)。
ただし、海外FX業者の「口座登録ボーナス」をはじめとする、「失ってもいいお金」を使うのであれば、ビギナーでも挑戦して良いと思います。
ですが、成功したとしても逆ナンピンにハマらないでくださいね。