Titan FXの移動平均線・RSI・MACDの見方と計算例(2)

本記事では、前編で解説した「テクニカル分析」における具体的な指標について解説します。

取引においていざテクニカル分析を実践するとなると必ず触れることになるポイントなので、必ず目を通しておいてください。早々にざっくりまとめてしまうと、テクニカル分析の中でも特にポピュラーな指標、メインというよりも他の指標と掛け合わせて一緒に使うサブ的な指標まで、それぞれ特性が異なります。

いずれが果たす役割も異なるので、しっかりと目を通していただき、テクニカル分析をスムーズに行うためのヒントを見つけていただけたら嬉しいです。

トレンド系における指標とは

トレンド系とは、マーケットの全体的な方向性を見極めることを目的とした分析方法です。相場のトレンドが「上昇」または「下降」のどちらに当てはまるかを見極める上で有効な分析方法です。

主なトレンド系指標
  • 移動平均線
  • 一目均衡表
  • ボリンジャーバンド

    それでは、トレンド系に当てはまるテクニカル指標について詳しく見ていきましょう。

    移動平均線

    移動平均線は、一定期間の価格の平均をつないだ指標です。単純移動平均線(SMA)なら、対象期間の価格を合計して本数で割ります。指数平滑移動平均線(EMA)など、直近の価格に重みを置く方式もあります。

    例えば5本の終値が150円、151円、149円、152円、153円なら、5期間SMAは(150+151+149+152+153)÷5=151円です。5分足の5期間は5本の5分足、日足の5期間は5本の日足であり、同じ「5」でも対象は異なります。

    短期の移動平均線が長期線を下から上へ抜けるのがゴールデンクロス、上から下へ抜けるのがデッドクロスです。売買を考える材料にはなりますが、過去の価格から計算するため、クロスの時点ですでに大きく動いている場合もあります。

    一目均衡表

    一目均衡表は、転換線・基準線・遅行スパン・先行スパン1・先行スパン2の5本で相場を捉える指標です。「雲」は先行スパン1と2の間の領域であり、1本の線ではありません。

    価格が雲の上にある場合は雲を支持帯、下にある場合は抵抗帯として見る考え方があります。ただし、雲が厚ければ必ず反発する、薄ければ必ず突破する、という意味ではありません。

    転換線が基準線を下から上へ抜ける好転や、遅行スパンと過去の価格の位置関係も確認材料です。一つの交差だけで判断せず、現在の価格が雲の内側か外側か、高値・安値の更新も合わせて整理しましょう。

    ボリンジャーバンド

    ボリンジャーバンドは、移動平均線を中心に、標準偏差を使った上下の帯を表示する指標です。期間や偏差倍率を変えると、バンドの幅も変わります。

    「±2σ内に95.4%」という数値は、正規分布を仮定した場合の説明です。今後の価格が95.4%の確率でバンド内に収まる、という保証には使えません。相場では急変や偏った値動きがあり、バンドの外側に沿って動くこともあります。

    バンドの拡大は計算対象の価格のばらつきが大きくなっている状態、縮小は小さくなっている状態です。縮小後の拡大を順張りの材料にする方法もありますが、上限に触れたら即売り、下限に触れたら即買いと決めず、方向と撤退条件を確認します。

    オシレーター系における指標とは

    オシレーターとは、「振り子」「振り幅」という意味を指します。

    オシレーター系は、ものすごくシンプルに言うと相場における「買われ過ぎ・売られ過ぎ」を示すテクニカル指標の総称であり、指標ごとの計算方法と、トレンドが強いときの特性を区別して使います。MACDのようにトレンドを追う用途のある指標も含まれます。

    主なオシレーター系指標
    • RSI(相対力指数)
    • MACD(マックディー)
    • ストキャスティクス

      それでは、オシレーター系に当てはまるテクニカル指標について詳しく見ていきましょう。

      RSI(相対力指数)

      RSIは「相対力指数」で、上昇・下落の値幅の関係を0~100で示します。MetaTraderの公式説明では、平均上昇幅U・平均下落幅Dを使い、RSI=100-100÷(1+U÷D)と計算します。

      70超を買われ過ぎ、30未満を売られ過ぎの目安にする方法があります。ただし、強い上昇では70超が続くこともあり、数値だけで反転は確定しません。期間設定と価格の高値・安値を合わせて見ます。

      平均上昇幅が平均下落幅の2倍なら、RSIは約66.7です。これは価格が今後66.7%の確率で上がるという意味ではありません。設定や詳しい見方はRSIの解説で確認できます。

      MACD(マックディー)

      MACDは「マックディー」と読み、移動平均収束拡散法とも呼ばれます。基本となる値は、短期EMAから長期EMAを引いた差です。MetaTraderの公式説明では12期間EMA-26期間EMA、シグナルはMACDの9期間SMAです。

      例えば12期間EMAが150.20円、26期間EMAが150.00円なら、MACDは+0.20円です。これは勝率や0.20pipsを示す数値ではなく、対象価格と同じ単位の差です。ゼロより上なら短期EMAが長期EMAより上、下ならその逆だと読みます。

      MACDとシグナルの交差は、勢いの変化を見る材料です。なお、標準MT4ではMACDのメイン値が棒で描かれます。他のツールの「MACDとシグナルの差を示す棒」とは意味が異なる場合があるため、見た目だけを同一視しないようにしましょう。

      ストキャスティクス

      ストキャスティクスは、一定期間の高値・安値に対する終値の位置を見る指標です。平滑化前の基本の%Kは、(終値-期間内安値)÷(期間内高値-期間内安値)×100で計算します。

      期間内高値155円・安値150円・終値154円なら、(154-150)÷(155-150)×100=80です。実際の表示ではSlowingや%Dなどの設定で平滑化されるため、この単純計算と値が一致しない場合があります。

      公式ヘルプでは80・20を目安にする方法が紹介されています。75・25など別の水準を使うこともできますが、共通の絶対基準ではありません。強いトレンドでは高値圏・安値圏に張り付くこともあります。

      トレンドの判断方法について

      これまで、テクニカル分析に該当するトレンド系、オシレーター系それぞれの詳細について解説しました。それでは次に、実際の取引においてトレンドを判断する際の流れについて解説します。

      トレンドの方向

      移動平均線では、線の傾きと価格の位置を組み合わせて方向を考えます。上向きの移動平均線より価格が上で推移すれば上昇方向、下向きの線より価格が下で推移すれば下降方向を考える材料です。

      「移動平均線がローソク足より上なら上昇、その逆なら下降」という読み方は逆です。ただし、価格が一瞬線を越えただけでトレンドが決まるわけでもありません。横ばいの線を価格が何度も往復する場面では、方向が定まりにくいことも確認しましょう。

      トレンドの強弱

      ゴールデンクロスやデッドクロスは、2本の平均線の位置関係が変わったことを示します。交差したという事実だけで、強いトレンドが始まったとは断定できません。線の傾きや価格の高値・安値の更新が続くかも見ます。

      トレンドの存在や強さを見るADXも、価格の上昇・下落そのものを表す値ではありません。+DIと-DIが方向の判断材料です。また、値動きの幅の確認にはATRという別の指標もあります。方向・勢い・値幅を同じ意味で扱わないことが大切です。

      トレンド系指標でエントリー

      続いて、トレンド系指標の実戦的な使い方について解説します。取引を進める上で重要なのは、エントリータイミングの判断です。トレンド系指標は、前述したようにトレンドの性質を判断するとき役に立ちます。ただし、レンジでサインが交錯することもあり、指標を表示すればエントリーすべき場面が必ず見つかるわけではありません。

      押し目・戻り目でエントリー

      押し目・戻り目は、トレンドが続くと仮定して入る候補です。例えば1時間足や4時間足で流れを見て、15分足で注文条件を確認する方法があります。ただし、見送ったこと自体が損失になるわけではありません。

      上昇相場で価格が雲や移動平均線まで下がったときは、支持されるかを確かめる場面です。触れた瞬間に自動的に買うのではなく、安値を更新せず反発したか、終値で条件を満たしたかなど、事前のルールに照らします。

      支持帯を割った場合の損切り幅と、その幅で許容できる数量も先に決めます。押し目だと思った下落が、下降トレンドの始まりになる可能性も残るからです。

      トレンドの転換点でエントリー

      転換を早く捉えれば取れる値幅が大きくなる可能性はありますが、早いサインほど未確定の動きも含まれます。一目均衡表の雲抜けも転換の候補であり、その時点で新しいトレンドが確定するわけではありません。

      足の確定を待つか、抜けた後の戻りを待つかで、注文価格と損切りまでの距離は変わります。飛び乗る前に、想定した方向へ動かなかった場合の出口まで確認しましょう。

      テクニカル分析の成功率を上げるには

      続いて、テクニカル分析の成功率を上げるためのポイントについて解説します。基礎知識と一連の流れを把握できたからといって、テクニカル分析は決して簡単にこなせるものではありません。頭では分かっていても、なかなか上手くいかないという状況に陥ることも決して珍しくはありません。1%でも成功率を上げるためにぜひポイントを押さえていただければ幸いです。

      100%成功するわけではないと認識する

      まずは大前提として、テクニカル分析を行う上で考慮すべきことは「100%の確率で成功するとは思わない」ことです。テクニカル分析は確率に基づくものであり、常に正しいということはあり得ません。トレーダーとして、万が一の場合は損失が避けられないことを受け入れ、損失を最小限に抑えるために適切な資金管理のテクニックをこなす必要があります。損失はいわば取引結果の一部であり、成功への道のりの一部であるとプラスに捉えておくことがポイントです。

      一つの手法にこだわらない

      一つの手法に固執し過ぎないことと、負けるたびに手法を変えることは別です。FXでは、トレンド向けのルールがレンジでは連敗するなど、相場との相性があります。

      まずは使う時間足・設定・注文条件を固定して記録し、その後で合わない場面を整理します。過去データに合わせて設定を調整した場合は、調整に使わなかった別の期間でも確かめると、都合のよい設定だけを選ぶ偏りを減らせます。

      シグナルが変わったときの出口を決める

      サインの変化を見たときの対応は、注文前に決めておきます。足の途中ではクロスが現れても、終値では消える場合があります。サインが一瞬消えたら全て即決済、という一律の方法が最適とは限りません。

      例えば「終値で前提が崩れたら決済」「直近安値の下に損切りを置く」など、採用するルールを決めます。逆に、都合よく足の確定を待ち続けて損切り注文を取り消すと、当初の損失想定が変わります。

      確実な成功を目指すのではなく、外れたときの損失と、当たったときの利益、費用を含めて検証することが重要です。

      慣れるまではデモと記録で検証する

      最初はデモや過去チャートで、同じ条件を見つけて記録する練習から始めましょう。ゴールデンクロスを見つけたとしても、その場で急いで実資金を投入する必要はありません。

      記録すること見直すポイント
      時間足・指標設定同じ条件を使えているか
      入った理由・入らなかった理由あとから都合よく条件を変えていないか
      損切り幅・数量・費用想定した損失額に収まる設計か
      実際の結果と決済理由勝率だけでなく平均損益も確認したか

      デモと実取引では、約定や心理面まで同じになるとは限りません。基本的な検証の考え方は前編:テクニカル分析の利点と限界も合わせて確認してください。

      まとめ

      指標を使う前に整理したいこと
      • 移動平均線は平均価格、RSIは上昇・下落幅の関係を見る
      • MACDは移動平均の差、ストキャスティクスは期間内の終値の位置を見る
      • 指標の高低や交差は、将来の勝率を表すものではない
      • 時間足・設定・足の確定条件を固定し、費用込みで検証する

      テクニカル指標は価格の情報を整理する道具です。移動平均線の上下関係を逆に覚えたり、バンドの確率を将来予測だと受け取ったりすると、売買判断も変わってしまいます。まずは一つずつ、何を計算した値なのかを押さえましょう。

      表示する指標を増やすより、取引条件と損失管理を具体的にして振り返ることが基本です。重要な経済発表の時刻や取引コストも確認し、条件がそろわないときには見送る判断を残しておきましょう。

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