
大手の海外FX業者の大半が「追証なし」というシステムを設けています。
ですが、FXトレードをする上では、本来は「追証が発生するリスク」を常に抱える事になるはずですよね。
それなのになぜ「追証なし」を実現することができるのでしょうか。
この記事では、海外FXにおいてなぜ「追証なし」というトレーダーからしたら非常にありがたい機能が実現できるのかをまとめていきます。
目次
FXトレードにおける追証とは?
「追証(金)」という言葉には主に2種類のニュアンスがあります。
・証拠金維持率を上げて、ロスカットを避けるために必要になるお金
・ロスカット処理が追い付かず、口座残高が0を割った場合の「FX業者を相手とする借金」
本記事では「2」の意味で「追証」という言葉を使っていきます。
(海外FXに慣れているのであれば、2のほうが親しみやすいのではないでしょうか)
海外FXだと「追証なし」にできるのはなぜ?
なぜなのか。
あまり難しい理由があるわけではありません。
簡単に言うと、「ゼロカットシステムがあるから」です。
ゼロカットシステムとは、「口座残高が0を切ったケースで、業者が0まで戻してくれるサービス」のことです。
これがあるので、一時的に口座残高がマイナスになってもしばらく待てば0まで回復します。
だから「追証なし」なのです。
海外FX業者はなぜ「追証なし」システムを成り立たせることができるのか?
ゼロカットシステムは言い換えれば、「ユーザーの借金を肩代わりするシステム」です。
そのため、「ゼロカットシステムなんてあったら、業者が損をするだけじゃないの?」と感じるかもしれません。
ですが、実はゼロカットシステムには「業者側のメリット」もいくつかあります。
- 投資家が離脱しにくくなる
- ユーザーが増加しやすくなる
- 訴訟などの手間が省ける
では、それぞれについて見ていきましょう。
①投資家が離脱しにくくなる
「ゼロカットシステムがない」とすると、追証を抱えたユーザーがそれ以降トレードをしなくなる可能性がありますよね。
特に追証が膨大な金額になった場合は、気持ち的にも「もう二度とFXはしない」となってしまうかもしれません。
しかし、「追証なし」であれば、例えば「自己資金が5万円なら5万円までしか消えない」ため、ユーザーが離脱しにくくなります。
②ユーザーが増加しやすくなる
国内FX業者で「追証なし=ゼロカットシステムあり」にしているところはありません。
なぜなら、法律で「ユーザーの損失をカバーしてはならない」と定められているからです。
一方、海外FX業者の多くは「追証なし」ですので、近年「じゃあ、リスクの少ない海外FXで!」という気持ちで、海外FX業者に登録するユーザーが増えているようです。というか確実に増えています。
「①」と「②」を踏まえて考えると、ゼロカットシステムには「客寄せパンダ」的な意味合いもあると言えそうですね。
また、海外FX業者の中には「収入源は、ほぼトレード手数料だけ」というところが少なくないので、「ユーザーを増やして(留めて)どんどんトレードしてもらい、手数料を落としてほしい」と考えているのでしょう。
簡単に言えば、「『追証なし』にしたほうがFX業者としても儲かる」のです。
③訴訟などの手間が省ける
また、「追証あり」にしているとしても、追証を課せられた全てのユーザーがすんなりお金を返すとは限りません。
普通に返済を渋る人もいれば、「額が膨大過ぎて返せない……」という状況になる人もいます。
いずれにせよ「未払いの追証」があれば訴訟などで対処しなければなりませんが、言うほど簡単なことではなく、当然労力がかかります。
しかし「追証なし」にしていれば、当然「ユーザーに対する訴訟」の件数はグッと減る事になります。
ただ、恐らく「訴訟の手間を惜しんで、追証なしにした」という事ではないでしょうね。
「利益の追求のために追証なしにしたら、結果的に訴訟も減った」という流れだと思います。
(※あくまで筆者の推測です)
海外FXの追証なし(ゼロカット)に関する注意点
そんな「追証なし(ゼロカット)」にもいくつか注意点があります。
- ゼロカットをあてにしないこと
- 証拠金維持率を十分に高くする
- スプレッドの話
①「ゼロカットをあてにしたトレード」はNG
最悪なのは「追証なしだし、どんどん大勝負をすればいい」というギャンブル的な発想に陥ってしまう事です。
先ほどもお伝えしたとおり「10万円入れたなら、10万円失う可能性がある」ので、
「ロスカットされた!→次のトレードでも無茶をする→ロスカットされた!→次のトレードでも……」という流れができてしまって、「ゼロカット依存症」に陥る可能性があります。
まず、FXトレードでは「全額失ってもいいお金」だけを使ってください。
そうでないと「経済的に困る」というのもありますが、冷静なトレードができなくなります。
ちなみに筆者の場合は、念のため「『全額失ってもいいお金』の半額」だけ使うようにしています。
②ゼロカットのお世話にならない証拠金維持率を!
海外FX業者の多くは、ゼロカット率を20~50パーセント程度に設定しています。
つまり、証拠金維持率が20~50パーセントになったらロスカットされるという事ですね。
ですが筆者としては、それを遥かに上回る「証拠金維持率500~1,000パーセント以上」をキープすることをおすすめします。
(500パーセントくらいであれば、一気に下がってしまうケースがあるからです)
例えば、
レート=100円
取引量:1万通貨(100万円)
レバレッジ:400倍
であれば、証拠金維持率は4,000パーセントになります。
そのため、「500~1,000パーセント以上にする」というのは難しいことではありません。
証拠金維持率を高くするためにも、
「取引量を少なめにして、かつレバレッジ倍率を高くすること」を意識してくださいね。
③「追証なし」の海外FX業者の多くはスプレッドがやや広い
「追証なし」を実現するために、「他の部分でカバーしようとしている」と言えます。
その「他の部分」の一例が、スプレッド(トレード手数料のようなもの)です。
ですから、海外FX業者を利用する場合は、いわゆるスキャルピングトレード(数分以内に完結するトレード形式)だと、
スプレッドがかさんで少し稼ぎにくくなるかもしれません。
※スキャルピングトレード向けに「スプレッドの狭い口座」を用意している海外FX業者も少なくありません。しかし、その口座には「普通の口座にはないデメリット」がある場合が多いです。
ただ、多少スプレッドが広いとしても海外FX業者には、
・口座開設ボーナスや入金ボーナスが豪華
・追証なし
・ハイレバレッジトレードができる(国内は25倍まで・海外なら数百倍~数千倍)
などのメリットがありますから、筆者としてはほぼ気にしたことがありません。
まとめ:なぜ「追証なし」なのか?→ゼロカットがあるから
「多くの海外FX業者が『追証なし』なのはなぜか?」について解説しました。
まとめると、
- ゼロカットがあるから追証金は肩代わりしてもらえる
- ユーザー獲得、ユーザー離脱防止のために追証なしにしている側面が大きい
- スプレッドを多少広くして、トレーダーが取引をすればするだけ稼げるようにしている
といったところです。
「業者にもメリットがある」と考えるとむしろ信頼できるのではないでしょうか。
ただし、
- 最初からゼロカットをあてにしてはいけない
- ゼロカットを意識するまでもない証拠金維持率にすべき
- ゼロカットがある海外FX業者の多くはスプレッドがやや広い
という事も覚えておきましょう。
ただ、とにかく「追証なし」がユーザーに与える精神的・経済的メリットは計り知れませんので、「追証なし」の機能を持たない国内FXを主戦場としている人は海外FXにシフトすることを検討してみるのもいいでしょう。