バイナリーオプションにダウ理論はマッチするのか?

投資を行っている方の中には「ダウ理論」という言葉を知っている人もいるかもしれません。株やFXなどの取引においてはよく耳にするこの単語ですが、バイナリーオプションにも適応できると言われています。しかしダウ理論を知らない人にとっては、「どのように作用する理論なのか?」「本当に適応できるのか?」よくわからないことも多いのではないでしょうか。

今回はバイナリーオプションに勝ちたい投資家にダウ理論はマッチするのか?について詳しく検証していきたいと思います。

ダウ理論とは?

まず、ダウ理論とは何なのかについてです。ダウ理論とはとは19世紀のアメリカの証券アナリスト、チャールズ=ダウによって考え出された相場理論のことを言います。現在でも日経平均株価やNYダウといった日常目にする平均株価はダウによって考えられたもので、名前を目にすることも多いでしょう。ダウが設立したダウ=ジョーンズ社は経済新聞「ウォールストリートジャーナル」を発行していることでも有名です。

このダウが提唱したこの理論では相場には6つの基本原則があるというように謳っています。ダウ理論は、投資家が投資を学ぶ際にまず学ぶテクニカル分析と言われており、過去のトレンド形成はダウ理論に基づいているとされています。

ダウ理論の6つの基本原則

では、ダウ理論の6つの基本原則にはどのようなものがあるのでしょうか?

・平均株価は全ての事象を織り込む
・トレンドは短期・中期・長期の3つに分類される
・主要なトレンドは3つの段階で構成される
・価格は相互に確認される必要がある
・トレンドは出来高でも確認されなければならない
・トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する

これらについてさらに深掘りして見ていきます。

平均株価は全ての事象を織り込む

市場の価格形成に影響を与えるさまざまな要因は、平均価格に反映されるという考え方です。たとえば、ファンダメンタルズ要因や、投資家や証券会社などによる株の売買、景気、災害、テロなどの事象をすべて盛り込んだものが平均株価に反映されているということで、値動きの予想においてはありとあらゆる要因を織り込んだチャートを分析すると良いということになります。

トレンドは短期・中期・長期の3つに分類される

トレンドは、短期(数時間から3週間)、中期(3週間から3ヵ月)、長期(1年から数年間)といった3つに分類されます。短期トレンドは中期トレンドの短期的な調整局面を表し、中期トレンドは長期トレンドと逆行する調整局面を表します。長期トレンドは上昇・下降の方向性を表します。

主要なトレンドは3つの段階で構成される

主なトレンドは、先行期、追随期、利食い期に分けられます。先行期では、先行型の投資家が最安値で購入し最高値で売る、といった取引が行われ、株価はあまり動きません。追随期になると先行期の投資家に反応した投資家が動き始め市場全体が連動して動きだします。その結果大きなトレンドが発生します。利食い期ではメディアでも取り上げられたりすることにより初心者や一般投資家も参入します。最初に購入した先行投資家が利確していく段階で、その後トレンド相場やトレンド変換が起き始めます。

バイナリーオプションにおいては、追随期までに流れに乗らなければ、勝つことが難しくなります。利食い期に入ってしまえばもう後の祭り。いつトレンドが終わりになるかはわかりませんのでリスクが高くなります。

価格は相互に確認される必要がある

ダウ理論において、バイナリーオプションで取引される通貨ペアは相互にバラバラな動きをするものではなく相関関係にあり同じ方向性を見いだせるものでなければ、上昇トレンド/下降トレンドを形成しないと考えられています。自分の取引する通貨ペア以外に関連する通貨ペア、たとえばUSD/JPYの場合には、USD/EURといったUSDがらみの通貨ペアも確認することが必要となるわけです。

トレンドは出来高でも確認されなければならない

ダウ理論では、サインを見つけるために出来高を重要としています。本格的なトレンドが発生する際には、出来高が増加します。反対に出来高が上昇しない場合にはトレンド転換の可能性が高くなります。「ダマし」の場合があるので注意が必要です。ダマしとは、大口投資家の買いにより一時的に値動きが発生している状態で、トレンドが発生したように見えるものの実はそうではなく、すぐに価格が戻ってしまいます。

トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する

一度上昇トレンドまたは下降トレンドがスタートすると、その動きは明確な転換シグナルが出るまで継続するという考えがダウ理論では重要とされています。転換シグナルが発生するまではトレンドが継続、高値・安値の切り上げ/切り下げが崩れた時が転換シグナルと捉えられます。
ダウ理論において、上昇トレンドとは、連続した高値と安値が、それ以前の高値と安値よりも切り上がっている状態を言い、下降トレンドとは、連続した高値と安値が、それ以前の高値と安値よりも切り下がっている状態を言います。

ダウ理論を実践する上での注意点

ダウ理論は現在に至るまで指標とされるほどの有名な理論ではありますが、次のような注意点も存在します。

ファンダメンタルズ分析を必要とするか否か?

ダウ理論の一つ目である「平均株価は全ての事象を織り込む」を考えた時に、ファンダメンタルズ分析のようなものは必要なのかどうかは考えるべき問題です。短期トレードには不向きという声もありますし、チャート上で可視化されるものではないため、技術的にバイナリーオプション初心者では理解ができないこともあるでしょう。そのため、ファンダメンタルズ分析ができる方であれば、参考になる理論とはいえ、選択するかは自己の判断によります。

トレンドサインが出るのが少々遅い

ダウ理論では、エントリーがうまくいけば上昇・下降トレンドに乗って利益が増えていくことになりますが、ダウ理論の場合トレンドのシグナルが出るのが遅い点がネックとなります。チャートの後追いが基本となるため、それを理解した上でダウ理論を実践するというのが現実的です。トレンドの発生を確認した上でエントリーするのでも十分です。

ダウ理論を学ぶには?

ダウ理論を学ぼうとした場合には何がよいのでしょうか?実はダウ理論について記載された書籍はあまり多くありません。ネットには情報がたくさん出ているとはいえ、その信ぴょう性や表現はサイトによって微妙に異なります。じっくり腰を落ち着けて学びたいという人の場合には書籍に勝るものはありませんので、ダウ理論とタイトルにつけられたものをいくつか参照しながら自分に合ったものを選んで学習すると良いでしょう。

ダウ理論はなにもバイナリーオプションだけに向けた理論ではなく株やFXなどにも有効です。そのため、投資全般を理解する上でもダウ理論について知っておくべきことはたくさんあります。ぜひこの機会にダウ理論についてしっかり知識を身に付けておきましょう。

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