米ドルに大きな影響を与えるバイデン政権と日本経済の関係について!スワップポイントが高いBigBossの基本スペックも紹介!

2022年3月中旬から米ドル円は大きく円安に振れています。円安になっている理由はたくさんあります。アメリカの金利が大きく上昇していることも大きな理由でしょう。しかし、米ドル円に大きな影響を与える原因を調査するにあたって、アメリカ大統領のバイデン氏の政策と日本経済の関係について理解することは非常に重要です。

そこで今回は、バイデン政権と日本経済の関係について説明します。また、スワップポイントが高いBigBossの基本スペックも紹介しますのでぜひ参考にしてください。

第1章:米国が直面する問題

米国が直面する主な課題問題について整理をしました。

米国が現在直面する主な課題としては、コロナ影響を受けた経済関連のみならず、国内では人権問題や治安、所得格差のほか、対外的には国家安全保障に関連した問題などが挙げられます。

こうした課題・問題への対応に際しては、議会運営の是非が大きな鍵になるでしょう。2021年1月5日に実施されたジョージア州の連邦議会上院2議席の決選投票は、いずれも民主党候補が勝利しました。バイデン大統領にとっては、上下両院で与党が優勢になる念願がかなった格好です。

しかし、バイデン大統領が掲げる増税や医療・環境問題など盛りだくさんの法案は、ねじれ議会でないからといって簡単に成立しそうにありません。

結局は、党派を超えた調整に加え、党内でも急進派や中道派との調整が重要になるとみられています

どのような対策が必要なのか

経済・財政・通商においては、新型コロナウィルス感染拡大の影響とその対策が最重要でしょう。

また、国内問題では、人権問題、治安、所得格差が大きなテーマになります。人権問題では、人種差別、移民差別、信仰している宗教の違いなどを背景にした人工妊娠中絶及び同性婚の是非をめぐる問題が顕在化しており早急な対策が必要です。

同性婚の是非をめぐる問題は日本でも大きなテーマになっていますが、同性婚に寛容だとみられているアメリカでも、大きなテーマになっているのです。また、アメリカは人種差別が非常に深刻な国でもあります。

 

記憶に新しい2021年4月13日にアメリカ中西部ミネソタ州で起きた、黒人の男性が警察官に銃で撃たれて死亡した事件は、アメリカの人種差別が深刻であることを全世界に示してしまいました。

当然、現地では人種差別による過剰な対応だとして、住民らが警察に抗議した模様は、全世界に報道され、世界の多くの人々に衝撃を与えたのです。

バイデン大統領は、抗議デモ対策などを含む法秩序の確保、警察に対する予算配分の見直しを検討していますが、日常的に起こっている銃問題も大きな課題になります。アメリカでは、学校で銃が乱射されるなど数々の銃関連に関する問題が起きているからです。

 

バイデン大統領は銃関連の規制をしたいと思っているようですが、アメリカ社会では銃の利用が歴史的に根付いておりなかなか難しい問題です。

現に、新型コロナワクチンの接種において、接種が始まった当初こそ順調でしたが、摂取が進むにつれ摂取率が伸び悩んでいるという大きな問題に直面し、接種率を上げるために銃を利用している州があるのです。

ウェストバージニア州のジャスティン知事は、接種率をあげるため、1億7000万円相当の賞金を用意し、そのほかに狩猟用のライフルや散弾銃などをプレゼントすると表明。銃の規制を行いたいバイデン大統領にとっては大きな悩みの種の1つといえるのではないだろうか。

また、ワシントン州では、大麻の小売店が店内でワクチンを打った客に大麻を紙で巻いたもの1本を配布することを許可すると発表してました。多様性が認められている自由の国アメリカであるといっても、我々日本人にはなかなか理解することができない感覚ではないだでしょうか。

 

所得格差の問題では、育児介護支援策や学費(学生ローン)負担問題に取り組むとしています。

学生ローンの問題は、日本でも大きな問題になっていますが、アメリカは日本よりも深刻な状況です。

連邦準備委員会による消費者信用報告書によれば、現在4400万人を超えるアメリカ人が総額1兆5600億ドル(約170兆円)を学生ローンで借りています。

この金額は、クレジットカード大国であるアメリカのクレジット債務よりも多い金額です。(アメリカのクレジット債務は約1兆2000億ドル)この数字を見るだけでいかに多くの学生が学生ローンを借りているかがわかるでしょう。

返済にかかる平均年数は、約19.7年といわれており、学生ローンを利用した多くの人が、学校を卒業した後、ローンの返済を行っています。

なぜ、多くの人が学生ローンを利用してまで上級学校に進むかというとアメリカは日本以上の学歴社会だからです。年収の高い良い仕事につこうと思うと学士以上の学歴がほぼ必須となります。そのため、学費が高くても学生ローンを利用して大学などの上級学校に進む人が多いのです。

バイデン大統領は、この学生ローン問題を非常に気にしており、高等教育の補助や学生ローンの免除に約8000億ドル規模を支出すると表明。また、バイデン大統領は、個人所得税や資産取引課税の税率見直しも表明しました。

年収400,000ドルを超える個人に対する各種税率の引き上げ(最高所得税率37%から39.6%への引き上げなど)や所得1,000,000ドルを超える家計に対するキャピタルゲイン税の引き上げなどを検討するとのことです。富裕層とそれ以外の人々の所得格差は年々広がっており、大きな問題になっています。

 

日本でも2020年から2021年にかけて日経平均株価を始めとする株価指標が上昇し、米ドルやオーストラリアドルなどの為替が円安に進んだことにより格差は大きく広がりました。

まさに資産を持つ者はさらに資産を増やす状況となり資産を持たざるものはさらに貧困になる循環になっているのです。

決して富裕層が資産を増やすことは悪いことではないが、あまりにも格差が広がると治安への影響が懸念されるため、バイデン大統領は富裕層への課税を強化する方針なのです。

しかし、富裕層への課税は一筋縄ではいきそうにありません。2021年5月に一部報道機関を通じてバイデン大統領が本気でキャピタルゲイン税の富裕層に対する課税強化をすると伝わりました。

 

このニュースが市場に入ってくるやいなやNYダウやナスダックを始めとするアメリカの株式市場は大きく下落しその影響は全世界に及んだのは記憶に新しいところでしょう。

結局、大きなお金を動かすのは富裕層や機関投資家が中心になるため、株式市場を活発にするためにはこれらの人々が積極的に投資をする必要があります。

トランプ前大統領が4年かけて株式市場を大きく上昇させましたが、バイデン大統領の手腕によっては大きな嵐を呼ぶことになりそうです。現にナスダックは2021年末から下落基調になっています。

対外問題では、国家安全保障の問題が大きなトピックでしょう。中国、ロシア、イラン、北朝鮮などへの外交安全保障面の対応や安全保障に絡む重要技術・製品の輸出規制及び対内投資審査の強化をしていくようです。アメリカと北朝鮮といえばトランプ大統領が金正恩総書記との面談が話題になりました。

ただ、トランプ大統領は北朝鮮に興味があるのではなく、ノーベル平和賞を取りたいがためのパフォーマンスであったという意見も一部あることは事実です。

バイデン大統領がどのようなスタンスで北朝鮮に臨むかは日本にとっても大きな注目点の1つであるといえるでしょう。

第2章:バイデン大統領とトランプ前大統領の政策比較

バイデン大統領とトランプ前大統領との政策の違いは明確です。大統領選挙の中でも、バイデン大統領はトランプ前大統領との政策の違いを明確にしてきたので記憶に新しい方も多いでしょう。

ほとんどの分野でトランプ前大統領と政策が違うのである意味比較がしやすいです。

経済政策・コロナウイルス対策

まず経済政策全般ですが、トランプ前大統領はコロナ感染拡大影響受けて2020年月から4月にかけて様々な政府支援策を打ち出しました。第1弾と第2弾の政府支援策では、感染拡大の抑制政策などをとってきました。

また、第3弾では個人や企業への資金繰り支援政策等を打ち出し、たび重ねて給付金を国民に渡しました。

日本でも定額給付金が2020年5月から支給されましたが、金額は10万円で1回きりしかおこなっていません。

 

アメリカ政府はこれまで3回、給付金の配布を実施しています。

1回目は2020年4月で確定申告の年収が独身者7万5000ドル以下、夫婦の場合は合算で年収が15万ドル以下であれば、成人1人あたり1200ドル、非成人1人につき500ドルが受給されたという内容です。

2回目は2020年12月で成人・非成人ともに1人あたり600ドルを給付し、バイデン政権になった3回目は2021年3月に行われ、給付条件は1回目とほぼ同じで成人・非成人ともに1400ドルが給付されました。

給付総額は成人でなんと3200ドルにも上ります。1ドル110円とすると、約35万円にもなるのです。

給付金の考え方については、バイデン大統領とトランプ前大統領の違いはないかもしれません。

 

また、トランプ大統領は、新型コロナウィルス関連では2021年内に生活正常化に向けた早期の経済活動再開や2020年末までにワクチン開発をすることを掲げていました。

多くの方が承知のように、トランプ大統領はコロナウィルスの制圧を待つよりも早く経済活動を再開させたい意向が強いことがうかがえる内容です。

一方、バイデン大統領は、次のような政策を打ち出しています。まず経済政策全般では、製造業の支援を通じた5,000,000人の雇用創出を掲げています。

また、米国製品購入に4000億ドルを拠出しEV(電気自動車)や5Gなどの今後の大きな収益源になるであろう最先端分野に3000億ドルを投資することを掲げているのです。

海外生産品のアメリカ国内での収益に対する追加課税などを通じた国内雇用維持や創出も掲げています。

さらに、バイデン大統領は、トランプ前大統領とは異なり環境関連の問題にも強い意欲を見せており、環境関連設備やインフラなどに2兆ドルを投資することを掲げました。

 

新型コロナウィルス関連では、検査・防疫体制の強化を優先し、稚拙な経済活動再開には慎重な姿勢をとっており、トランプ大統領とのスタンスの違いは明らかです。

生活必需品や医療物資、医薬品の国内サプライチェーン強化を支援しており、相応の効果がみられるようになってきました。このように、新型コロナウィルスの対応一つ見ても、トランプ前大統領とは異なる色をバイデン大統領は出し続けているのです。

インフラ関係・ヘルスケア・社会保障分野

次にインフラ関連を見ていきましょう。バイデン大統領は巨額の投資計画を打ち出しています。トランプ前大統領と同様に公共投資を重視しますが、投資分野としてはトランプ前大統領が軽視していた環境関連に注力する点が特徴的です。

ヘルスケア、社会保障に関する政策では、バイデン大統領はトランプ前大統領が廃止に向けて取り組んでいる国民皆保険を目指したオバマケアの継続・拡充を打ち出しています。

まず、インフラ分野ではトランプ前大統領は1.5兆ドルに及ぶ州政府や民間の投資を促す0.2兆ドルの連邦投資を計画していました(交通インフラや通信、水・廃棄物処理など。後1.5兆ドルを2兆ドルに引き上げ)

また環境分野は軽視しており環境評価手続きを簡素化しました。ヘルスケア・社会保障分野では、国民皆保険を目指すオバマケア廃止に向けた取り組みを行い加入義務の撤廃などを目指していたのは知っている方も多いでしょう。薬価や医療保険料引き下げに向けた取り組みも行いました。

 

一方のバイデン大統領は、インフラ分野では1.3兆ドルのインフラ投資を計画し公共投資を重視する姿勢を明確にしました。特に交通インフラやEV関連、高速鉄道、スマートシティーなどに力を入れる考えです。ヘルスケア社会保障分野では、オバマケアの継続拡充を目指しバイデンケアの確立を目指しています。

高齢者向け公的医療保険の適用年齢の引き下げ(65歳から60歳)を目指しており、公的医療サービスを低料金で提供することを掲げています。米国内での医療品のサプライチェーン構築にも意欲的です。

移民及び通商関連政策

移民及び通商関連の政策では、移民に関する政策において、強硬な移民政策を進めるトランプ前大統領とは異なって、バイデン大統領は幼少期に親とともに不法入国した若者(通称dreamer)の市民権取得に向けた取り組み強化など移民に寛容なスタンスをとっています。

一方、通商政策に関しては、多国間のアプローチに転換する可能性が高いものの、保護主義的な通商政策や対中強硬姿勢はトランプ前大統領と同様今後も続くとみられています。トランプ前大統領の移民政策は、国境の壁建設に代表されるように強硬な移民政策をとってきました。またトランプ前大統領は通商面において2カ国間通商協定を先行し、対中強硬姿勢(制裁関西、為替操作国として)を明確にしてきたのです。2017年から起きた米中貿易戦争は記憶に新しいところでしょう。

 

一方のバイデン大統領は、先ほども述べたが移民政策において適切な移民入国管理に基づく移民受け入れを表明し、幼少期、親とともに不法入国した若者の市民権獲得に向けた取り組みを強化する意向です。

通商面においては、多国間協定に対しては、比較的オープンな姿勢ではありますが、対中強硬姿勢はハイテク分野への輸出管理強化を含む規制を引き続き行う予定です。ただ、制裁関税への取り組みに関しては、優先順位を引き下げる意向です。

現に、バイデン氏が大統領に就任して以来、中国との軋轢はトランプ前大統領の時から比べるとはるかにおさまっています。

環境及び税制関連の政策

環境及び税制関連の政策は、もっともトランプ前大統領との違いが明白な分野になるでしょう。環境政策に関して、バイデン大統領は環境規制の強化や環境関連の投資拡大を図り、ゼロエミッションに向けた取り組みを強化していく方針を打ち出しており、トランプ前大統領からの大幅な方針転換されています。

また、環境関連を始めとする投資拡大に向けた財源確保のため、法人税や所得税の税率引き上げを検討しており、株式投資のキャピタルゲイン税の引き上げを検討していると一部マスコミから伝わりました。

トランプ大統領は、環境分野を軽視し続けてきました。クリーン電力計画やメタン排出規制の撤回を表明し、原油パイプラインの建設計画の推進を行ってきたのです。

最も象徴的だったのが、2020年11月4日のパリ協定の離脱でしょう。また、トランプ前大統領は税制関連の政策については積極的な減税を行ってきました。トランプ減税として有名なのが法人税率を35%から21%に引き下げたことでしょう。また、2019年末に中間層に対する所得減税案を打ち出したこともあります。

 

一方のバイデン大統領は、まず環境分野についてですが、2050年までにネットゼロエミッションを達成することを目標としました。

環境関連設備やインフラに4年間で累計2兆ドルを投資する計画を打ち出しており、パリ協定への再加入(実際に再加入した)など他国を含めた温暖化対応を促進していく考えです。

また、税制面においても、トランプ減税の一部解消を表明しており、この効果で10年間で3.8兆ドルの税収増を見込んでいます。

法人向けでは法人税率を21%から28%に引き上げることや巨大なIT企業を念頭に置き純利益の15%を納税するミニマム勢の導入などを検討しています。

個人向けにおいては年収40万ドル超の個人に対する各種税率引き上げを行いました。(最高所得税率37%から39.6%)所得1,000,000ドル超の家計に対するキャピタルゲイン税を引き上げることも検討しています。

 

このように、環境及び税制関連の政策はトランプ前大統領と大きな違いを打ち出しているのです。

参考までに、増税策と支出政策の規模について載せておきました。

法人税や所得税の税率引き上げなどによる増税規模は2.8兆ドルに及ぶとみられていますが、各種政策への取り組みを通じたより巨額の支出作が検討されており、財源不足のリスクも指摘されています。

バイデン大統領の増税策と支出政策のバランスは今後10年間での増税規模は、2万8552億ドルに対し、支出政策規模は、8万2000億ドルと大幅に財源が不足する見通しです。

主な増税政策規模(億ドル)
法人税率引き上げ10.239
海外子会社に対する最低税負担引き上げ4,574
不動産業界などに対する税制優遇撤廃2,374
ミニマム税の導入935
その他法人関連1,498
法人関連合計19,620
社会保障税の対象報酬年額の上限引き上げ7,232
キャピタルゲイン税の引き上げ2,981
年収40万ドル超の個人に対する所得税率の引き上げ781
各種税額控除-3,494
その他法人関連1,432
個人関連計8,932

 

主な支出政策規模(億ドル)
医療保険制度改革20,000
環境関連設備・インフラ17,000
幼稚園~高校の教育改革8,000
高等教育補助、学生ローン免除8,000
製造業支援8,000
住宅関連補助金6,000
病気や家庭事情による有給休暇の導入5,000
社会保障拡充5,000
保育士・介護士に対する資金支援5,000

 

第3章:バイデン大統領がアメリカ産業に与える影響

バイデン大統領の政策がアメリカ産業に与える影響について説明をします。

バイデン大統領の政策は、インフラや環境関連投資の影響が大きいです。しかし、政策要資の歳出や増税の法案化に向けた議会との調整が容易には進まず、政策規模の縮小を強いられる可能性は今でもあります。

また、個別産業への環境税制に関しては、連邦レベルのみならず、州政府の規制動向にも、留意が必要で、よりきめ細やかな調整を行う必要があるでしょう。

それでは、アメリカ産業に与える主な影響について説明しましょう。

経済・小売分野

経済・小売分野では、新型コロナウィルス感染の再拡大や今後の政府支援策の内容次第ではありますが、インフラ投資などによる雇用創出を目指す方針です。

ただし、効果波及には長期を要する可能性があり不透明感も残されています。また増税による消費や投資などの減退や最低賃金引き上げによるコスト増も懸念されています。

電機・半導体分野

電機・半導体分野では、5G関連のR&Dや米国への半導体関連工場の移転などに対する政府支援を拡充する方針で、移民受け入れを通じた高度人材の確保を目指しています。

しかし、米中対立により既存のサプライチェーン見直しが必要となる可能性があり、さらに米中関係が悪化すれば中国向け販売率の高い製品に売上高下ぶれのリスクがあるでしょう。

なんだかんだ中国は、世界最大の市場であり中国との関係性によって政策は大きく変わってくる可能性があるということです。

 

半導体に関しては、世界的に供給が需要に追いついておらず、今後、さらなる半導体の高騰が予想されます。アメリカの収益を支えているのは、いうまでもなくGAFAを始めとする、情報通信業です。

半導体の高騰によって情報通信業の収益が下落する可能性があることはバイデン政権にとっても大きなリスクでしょう。

また、大手IT会社の納税額が少ない問題が近年浮上してきているため、ミニマム税を導入し徴収を強化する方針です。EV (電気自動)、スマートシティなどのインフラ需要増加を狙っています。

エネルギー関連

エネルギー関連でもクリーンエネルギーの需要増加を見込んで政府支援を行うことや石炭・ガス・火力発電については規制強化する方針です。このようにトランプ大統領とは全く異なり、環境についてかなり重視していることがうかがえます。

環境関連については補助金など政府支援の拡充も検討しておりエネルギーや自動車、家電、住宅など多岐に渡る可能性があります。

第4章:バイデン政権が日本経済に与える影響

ここからは、日本経済との関係について考察します。

日本の直接投資に占めるアメリカの割合は全体の約3割を占めており、当然、日本にとってアメリカは最大の経済相手国です。

特に輸出では全体の2割をアメリカが占めており、日本にとってアメリカ経済は非常に気になるところです。当然、為替レートも大きな影響を受けるのでバイデン氏政権が日本経済に与える影響についてはしっかり確認しておく必要があります。

 

日本の対米直接投資は、2009年のリーマンショックなどで一時、減少しましたが、その後、増加をたどり、近年は大型案件が牽引する格好で比較的高い水準で推移しています。投資残高ベースでは、金融や卸小売、化学肥料で約半分を占めています。

日米の輸出入取引を見てみると、対米輸出は自動車、機械、電気が全体の7割を占めており、自動車を中心に金融危機前の水準まで回復していないものの、全体では金融危機以降は増加基調をたどっています。

NYダウやSP500を始めとするアメリカの株価は乱高下をしていますが、基本的には上がり続けているといえるでしょう。中でも目に付くのはテスラなどの電気自動車関連の株の値段が上がり続けていることです。テスラの株価が急上昇したことは記憶に新しいでしょう。

また、仮想通貨のビットコインは一時600万円を超えました。

一時、振るわなかったGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)などのインターネット企業の株価は軒並み過去最高を更新している状況です。

このような企業は通常の企業のように資産を保有しているわけではなく、新しい技術によってのみ株価が高騰しています。こうしたアメリカの株価高騰を受け、日本の株価もIT企業を中心に大きく上昇をしました。

市民の生活状況

また、株価の上昇だけでなくアメリカ企業は日本企業の働き方にも大きく影響を与えており、リモートワークを行う企業は劇的に増えている状況です。

しかし、アメリカの株価は大きく上昇しているが、アメリカ経済の中核になってきた多くの中流階級の人々が今、破産宣告を行っていることをご存じでしょうか?

ニューヨークやワシントンで自宅を買おうと思うと数10万ドルから100万ドルは必要になります。仮に平均年収が100,000ドルであってもその10倍以上の金額を支払う必要があるのです。もちろん、アメリカにも住宅ローンがあるので多くの人々が住宅ローンを借りています。しかし、借りる金額が大きければ大きいほど返済負担は大きくなるのは当然です。

アメリカは日本と同様に共働きの世帯がほとんどになり、共働きを行うことによって何とかローンの支払いを行っている実態があります。しかし、親の介護の問題が発生したり、パートナーの一方が病気や怪我によって働けなくなる可能性は常にあるのです。

共働きで何とか生計を維持している世帯にとって、パートナーの1人が仕事ができなくなってしまうのは死活問題になるでしょう。

あっという間にローンの支払いができなくなる世帯が急増する可能性は常にあるのです。

また、現在は、非常に低い金利でローンを借りることができていますが、金利が上昇してくるとさらに破産をする人が増えてくるかもしれません。

 

この状況は日本の都心部に住宅を構えている人たちにも当てはまります。都心部の住宅の高騰は異常ともいえる水準ですが、今後不動産の価格はさらに上がると多くの人は思っているようで、今もまだ都心部の不動産は売れ続けています。

都心部の不動産を住宅ローンで購入している多くの世帯はアメリカと同様共働きでしょう。日本の高齢化は非常に深刻な問題です。アメリカ以上に、介護の問題のリスクは高い。もしパートナーの1人が仕事を辞めざるを得ない状況になるリスクはアメリカよりも高いといえるのです。

また、アメリカと同じように住宅ローンの金利が今後上がってくればアメリカと同じように日本も破産者が増えてくるのではないかと予想できます。アメリカで起きたことは5年後に日本で起きるといわれています。

破産者が増えているアメリカの現在の状況は決して日本にとって対岸の火事ではないということをしっかり認識しておく必要があります。

株価

アメリカの株価は、これまでアメリカ経済を引っ張ってきた自動車のゼネラルモータースやエクソンモービル、銀行のシティーバンク、モルガンスタンレーなどといった企業の株が低迷し、先程の電気自動車のテスラやIT企業の株が大きく上昇しましたが、次第にそうした動きが異常なものとして警戒する空気になっていることも事実です。

アメリカの株価は今後も大きく上昇するはずだという強い確信があるようですが、一部のアナリストは株が急速に暴落するような事態が起こると予想してます。現にナスダックは大きな調整局面に入っています。

また、新型コロナウィルスの猛威をワクチン接種によってある程度抑えることができるとしても、アメリカ経済を引っ張ってきた中流階級の破産が増えているのも大きなリスクです。

経済のけん引役が破産してしまっては、当然、今後大きな経済成長を望むことはできないでしょう。大きな成長を期待できないのは当然として、大きく経済が低迷してしまう可能性があるのです。

 

もし、このような事態になると日本経済はアメリカ経済に大きく依存をしているため日本でも同じような状況が起きるでしょう。

つまり、順調に上昇してきた日経平均株価やTOPIXが暴落する可能性があるということです。

2020年から2021年にかけて日本の株は異常ともいえる値上がりをしました。日系平均株価は、2021年に入り約29年ぶりに30,000円台の大台を回復。コロナウィルスの影響で経済全体は沈みこんでいるのに非常に不思議な現象であるといえるでしょう。

日本の株価が大きく上昇した最大の要因はアメリカ株が大きく上昇したことであることに異論を持つ人はまずいないはずです。

NYダウが30,000ドルを越し、アメリカ企業の実態を表すといわれているS&P500も3000ドルを大きく超えています。アメリカの株価がトランプ大統領の4年間基本的には上がり続けたことは事実です。

クリーンエネルギー

そして上昇を続けた株価がその勢いを保ち、今後も高くなり続けるためにはクリーンエネルギーと呼ばれる、炭酸ガスを排出せず地球温暖化しないエネルギー産業の成長と拡大が必要だといわれています。クリーンエネルギーと並んで期待されているのがAIであることに疑問を持つ人はいないでしょう。

もちろんクリーンエネルギーとAIが今後の株価の牽引役になるとは思いますが、気になるのは、この2つの事業に中国の習近平が非常に積極的なことです。

 

中国は太陽光発電に必要なパネルや風力発電の施設や機材を大量に輸出しています。

クリーンエネルギーの推進を進めることは悪いことではありませんが、中国製製品の中には多くの不良品があることが非常に大きな問題になっています。

特に悲惨だったのは、カルフォルニアの太平洋に強風が吹きぬける砂漠地帯に作られた風車の多くが壊れてしまい、羽の回らない数百本の風車が立ち尽くしていることです。

このような事態を見てアメリカのエネルギー関係者たちはクリーンエネルギーに飛びつくわけにはいかないと思っていますが、問題なのはバイデン大統領が中国寄りであることになります。

またアメリカのマスコミの多くは中国マネーの恩恵を受けており中国に批判的な立場をとるマスコミは非常に少ないです。

このようにアメリカは中国に支配されているということができるので、今後中国製品に依存しクリーンエネルギーを推進すると非常に危険な事態になるでしょう。

AI

AIに関しても中国は非常に熱心に取り組んでいるがクリーンエネルギーと同じような状況が起きないとは誰にも言い切れません。

現在の株価高を演出しているクリーンエネルギーとAIの二本柱が同時に崩れてしまう可能性があるのです。そのような状況になるとNYダウやS&P500などの株価は大暴落を始めるでしょう。

当然、日本はアメリカ経済に依存しているためNYダウやS&P500などが暴落をすると日経平均株価やトピックスなども暴落することが容易に想像できます。

 

株高によって富裕層を中心に多くの人々が資産を築いてきましたが、今後このモデルが崩れてしまう可能性があり、そのような状況になると日本経済はバブル崩壊後以上のダメージを受けることになるでしょう。

さらに恐ろしい事態が今後世界を襲うことが一部の専門家の間で予想されています。

それは中国がAIに力を入れている理由は、アメリカや日本を始めとする世界の重要なシステムにハッキングを行うためだということです。もちろん、このことは公にはされていないが十分に可能性があるでしょう。

なぜなら、中国企業は、中国政府の要請があれば、中国企業が抱えている個人情報などすべての情報を中国政府に提供しなければならないからです。中国企業が抱える世界中の情報が中国政府に筒抜けになる可能性は常にあります。

 

もし、中国政府が世界中のありとあらゆる情報をつかめば、AIを使って世界経済にダメージを与えることは容易なことです。特に株式市場は、コンピューターによる影響が非常に強いということは周知の事実でしょう。日本でも何度コンピューター障害によって株式市場が大混乱に陥ったことがあります。

もし、中国が高度なAIを開発し世界中の株式市場にハッキングをすることができる時代になると世界経済は大混乱に陥る可能性があるでしょう。さらに、先ほど説明した通りバイデン大統領はトランプ大統領とは違い中国寄りの姿勢をとっています。

中国との関係

動画アプリのティックトックのアメリカ国内での使用禁止をトランプ大統領は表明しましたが、バイデン大統領はそれを撤回しました。

中国は2030年までにアメリカを抜き世界ナンバーワンの経済大国になる野望を持っていますが、それはもしかすると中国自身が力をつて世界ナンバーワンの経済大国になるというよりも世界経済を混乱に陥れ、ナンバーワンの経済大国になるかもしれないのです。

中国寄りの政策をとることは、当然、日本経済にも大きな影響与えることになるので注視することが必要になるでしょう。2022年5月時点では、バイデン政権の経済対策に対する大きな批判は起こっていません。なぜなら株価がナスダックを除き大きく崩れていないからです。

経済政策

しかし、現実を見ると世界の多くの国がコロナウィルスの対応のため景気刺激策をとっており、その副作用として膨大な赤字を抱えています。

各国が多くの赤字を抱え込んでいる中で、バイデン大統領が取るであろう政策は大きな爆弾になるかもしれませんトランプ前大統領は経済対策に何よりも力を入れてきました。減税や雇用創出に力を入れてきたことによりアメリカ経済は大きく上昇をしました。

しかし、バイデン大統領は、増税や社会福祉中心のいわば経済拡大の障壁になるであろう政策を積極的に推進しようとしています。

今後、バイデン大統領のもとで増税や社会福祉費の増大が行われるようであれば、経済全体の拡大が滞ってしまうことは必然です。

もし経済の拡大が滞ってしまうと、新型コロナウィルス対策のため莫大な財政赤字や企業の赤字が、今後の世界経済全体に大きくのしかかってくるでしょう。

 

このような状況になると不況になることは容易に想像できるが、すでに世界中の国々が財政赤字を大きく抱えている状況を見ると不況ではとどまらず世界大恐慌に至る懸念があるのです。また、アメリカ経済の見通しが、今後順調に伸びていくだろうという期待感が大きく後退し始めている確固たる指標があります。

それは、アメリカの企業や銀行が多額の借金を抱え込んでいることです。

コロナウィルスのワクチンが順調に効き始め、経済的に追い詰められている企業や銀行が再び息を吹き返すだろうと多くの人は考え株価は上昇してきました。

しかし、特にアメリカの銀行はその期待感を無にするほどの借金を抱え込んでいます。

コロナウィルスの影響で個人消費が落ち込み経済的に苦しい企業を助けるためアメリカ政府は膨大な量の貸付を行い、マイナス金利を含めた大掛かりな金融緩和政策を推し進めました。このような政策をとったのは借金によって経済を回復させようとしているからです。

 

もちろん、積極的にお金をばらまくことは必要です。しかし、銀行はすでに莫大な借金を抱えているため、もしコロナウィルスを制圧することができても、積極的に貸し出しを増やすことはできないでしょうそうすると、当然企業活動は低迷することになります。

また、銀行だけでなく企業も社債の発行を乱発し何とか今の状況を乗り越えようとしていますが社債は当然ながら企業にとっての借金です。

もし今後ビジネスが拡大しない場合、社債の金利すら支払えなくなってしまう状況になるでしょう。

日本の影響

もし、バイデン大統領の経済軽視政策による株価下落が起これば、最も影響を受けるのは残念ながら日本です。日本はアメリカ経済に大きく依存をしており、今後もその構図が変わることはほぼないといってよいでしょう。

さらに、日本経済の良さであるものづくりの力が弱くなっていることもあり、企業発で爆発的な回復を期待することもできません。戦後日本が奇跡と呼ばれる経済回復をすることができたのは紛れもなく日本のものづくりの力の強さです。

しかし、ものづくりを軽視している現在の日本の経済環境を見れば、戦後日本が起こした経済回復を再び行うことは難しいでしょう。

また、30年間平均年収が上がっておらずインフレもほとんど起きていないことを考えると日本のみで経済発展を行うことはほぼ不可能です。そのような状況の中ではさらにアメリカに依存しなければならないことが容易に想像することができるので、バイデン大統領の行う政策には注視が必要になります。

 

しかし、いくら注視しても結局日本政府はアメリカ政府にものをいうことはできません

表面的には日本とアメリカは仲の良い国であると思われていますが、結局日本はアメリカに何もいうことができないので、従属関係にあるといって良いでしょう。

トランプ大統領に比べ、バイデン大統領は、各国の意見を聞いていますが、トランプ大統領のような強烈なリーダーシップを発揮し、経済を回復させていくようなタイプでは決してありません。

日本経済にとってある意味バイデン大統領はトランプ大統領以上の脅威になるかもしれないのです。

第5章:バイデン政権が日本産業に与える影響

ではバイデン大統領就任によって想定される日本企業への影響を産業別に見ていきましょう。

バイデン大統領はインフラ投資や5G関連の投資を積極的に行うとみられており、これらの市場規模は拡大するとみられています。

またEVや環境関連分野にも積極的に投資することが期待できるため、これらの事業についても拡大することが見込まれるでしょう。

しかし、小売業界ではコロナ感染済拡大となっとおり、特に外資系企業は不利な立場におかれています。また、電気・半導体業界ではサプライチェーンの見直しを余儀なくされ、一部コストが負担されることが懸念されます。

 

バイデン大統領の政策方針が各産業に与える影響は以下の通りです。まずは各産業に与える影響について全体像を提示しよう。

まずエネルギー関連では、バイデン大統領は環境規制の強化や環境関連の投資拡大を積極的に行っていくでしょう。パリ協定に2021年2月19日に再加入にしていることは、バイデン大統領が環境関連に大いに力を入れていることの証明です。

こうしたバイデン大統領の環境政策に積極的な姿勢によって、日本企業に再生可能エネルギーの投資機会拡大や政府支援拡大などが期待されています。

自動車産業に与える影響は、バイデン大統領は充電ステーションの拡充やEVのR&D支援に積極的なことから日本の自動車業界にも恩恵もたらすでしょう。

日本の自動車業界は、トヨタ自動車の一強状態になっておりになっており、EVの需要拡大に向け、トヨタ自動車以外の自動車会社がどのように動くかも大きな注目点といます。

また、EV関連に関しては自動車会社以外の会社の進出も期待されています。特に、電気機器のソニーはEVに積極的であると言われており今後の動向が非常に注目されている企業の1つです。アメリカがEVに積極的になっていることを考えると日本の経済にも大きな革命を起こす可能性があるといえるでしょう。

 

電機・半導体産業では、バイデン大統領は5G支援に積極的なので日本市場においても5G関連の市場規模が拡大することが期待されます。

しかし、バイデン大統領は、中国に対して強硬姿勢をとるとされており、米国内への工場移転の促進につながる可能性があります。

中国に対してアメリカが強硬姿勢をとると、中国向け販売比率が高いアメリカ企業宛取引の縮小が日本市場において懸念されるでしょう。

 

建設業界では、環境関連を中心にした幅広い分野へのインフラ投資の拡大をバイデン大統領は表明しており、日本においても公共工事の増加や環境関連に関連する高度技術の活用ニーズが高まることが期待されます。

一方、割を食らいそうなのは小売業界です。バイデン大統領は、雇用創出や個人の資金繰り支援を通じて個人消費の下支えや最低賃金の引き上げを行っていますが、日本企業に大きな恩恵があるわけではありません。

むしろ、コロナウィルスが現状おさまっていないことを考えると、外資系企業に対するコロナ関連政府支援は引き続き期待ができないといえるでしょう。小売業界についてはアメリカの動向というよりもコロナウィルスの問題が落ち着くまで当面厳しい状況が続くでしょう。

では、バイデン政府が日本経済に与える影響について、産業別に詳しくみていくことにしましょう。

エネルギー業界

まずエネルギー業界では、シェールガス開発において、連邦政府が管理する土地におけるクラッキングが禁止される見込みで、今後のガス鉱区の開発ペースは鈍化する可能性があります。

シェールガスは、2010年代前半にエネルギー不足の救世主とみられていましたが、10年もたたないうちに厳しい環境に身を置くことになってしまいました。シェールガスには、さまざまな欠点があることが明らかになってきています。

例えば、シェールガスにはヘリウムが含まれていません。シェールガス以外の一部の天然ガスにはヘリウムが0.5~1%含まれています。

ヘリウムは、様々な産業で使用されているため、仮にシェールガスが広く使用されるようになると、世界的にヘリウムの供給が不足するといわれているのです。

 

また、シェールガスは、地球温暖化を促進してしまう可能性があるといわれており、地球温暖化を促進してしまう理由は、シェールガスに多く含まれるメタンは温室効果を持つためです。

さらに、シェールガス採掘の際に、地下水を汚染する危険性もあります。

シェールガスの採掘には、防錆剤などの様々な薬剤を使用する必要があり、使用する薬剤が地下水を汚染する危険性があるのです。

このように、エネルギー不足の救世主であると言われていたシェールガスは今岐路に立たされています。

他方、環境にやさしい再生可能エネルギーに対する需要が高まると見られるほか、政府支援も見込まれることから日系企業にとっては投資事業機会の拡大が期待されているのです。

自動車業界

 

 

自動車業界へ与える売電政府の影響は、EV分野において、日経サプライヤーではアメリカ系自動車メーカーでも含めた販売拡大の機会、また二型自動車メーカーではアメリカ系との技術連携の強化を図る機会などが想定されます。

自動車業界では、メキシコカナダとのあいだで2020年7月に発行した新協定のUSMCAが今後の生産体制を考える上で重要なポイントになるでしょう。USMCAで、最も特徴的なのは、トランプ前大統領が掲げていたアメリカ第一主義が色濃い点です。

自動車の原産地規則が、USMCAではより強く含まれており、これまでの協定であるFTA・EPAの自動車の原産地規則に比べてはるかに厳しい内容になります。アメリカは、USMCAを発効させるために、この自動車の原産地規則を強く求めてきました。

USMCAの前身であるNAFTAを活用して関税ゼロで貿易するためには、製品のうちの一定の割合が米国、カナダ、メキシコの中で生産されたNAFTA原産品であることが必要でした。旧NAFTAでは、自動車の場合、NAFTA域内で62.5%の部材を調達する必要です。

一見するとかなり厳しい規則のように見えるかもしれないが、言い方を変えると、37.5%分に関しては、日本や中国などの「NAFTA以外」の地域で生産した部品や材料を使っても問題がなく、関税なしで米国に輸出することが可能だったともいえます。

 

結果的に、この規則ではアメリカの自動車業界を復活させるには足りなかったのです。

そこでアメリカは、USMCAの交渉の際、アメリカの自動車産業復活のため原産地規則をより厳しくすることを要求したのです、

アメリカの要求内容は、NAFTA域内の調達率を85%にした上、米国製の部材を50%以上使用する非常にアメリカよりの内容でした。

 

このアメリカ第一主義ともいえる内容にカナダとメキシコは、現在のサプライチェーンに影響を及ぼすとして強く反対しましたが、結果的にはアメリカの意向を大きく反映するかたちで合意しました。

NAFTAは、米国やカナダ、メキシコの企業だけではなく、多くの日本企業もNAFTAのメリットを享受してきました。

JETROが行った「2020年度 米国進出日系企業実態調査の結果」によると、米国で生産・販売活動を行う日本企業の販売先としては、米国を含めたNAFTA市場向けが約90%で、NAFTA利用率は30%を超えています。

「2020年度 中南米進出日系企業実態調査結果」によると、メキシコに進出している日本企業においては、輸出入ともに80%以上の企業が「NAFTAを活用している」と回答しました。

USMCAの発効は、北米でビジネスを行う日本企業にも大きな影響を与えるのです。また、USMCAだけでなく、EVを重視するアメリカの姿勢は今後の日本の自動車業界に大きな影響を与えるでしょう。

日本はEVの取り組みが他国対比遅れており、新車販売に占めるEV比率は1%だ。ヨーロッパはもうすぐ4%に達することを考えるとかなり遅れています。

アメリカも2%位だがEVに力を入れることを考えるとあっという間に新車販売に占めるEV比率を高めてくることが予想できるでしょう。

世界最大の市場であるアメリカのニーズに沿った車を販売しなければ今後自動車は、苦しくなることが容易に想像されます。

電機・半導体産業

次に電機・半導体産業を見ていきます。バイデン大統領は、5GのR&Dに対する政府支援の拡充等を打ち出しており、関連事業の市場規模拡大が見込まれます。

しかし、先ほども述べましたが、対中強行政策が続くことで米中関係が悪化すれば、工場移転など日系企業はサプライチェーンの見直しを迫られる可能性があるほか中国向け販売比率が高い米系企業宛の販売額が減少することも想定されるのです。

トランプ前大統領が引き起こした、米中貿易戦争とは簡単に説明をするとアメリカと中国の貿易に対する圧力の掛け合いのことを指します

アメリカが中国に対する関税を発表すると中国もすぐさま対抗することが何ヶ月も続きアメリカと中国の関係は冷え込みました。

 

アメリカと中国という二大大国の冷戦ともいえる戦いは日本を始めとする多くの国に影響を与えたの記憶に新しいでしょう。もし、バイデン政権でも米中貿易戦争のようなことが起こると世界経済全体の落ち込みは激しいものになるはずです。

また、トランプ前大統領は中国企業の米国内からの追い出しに躍起でした。中国の携帯電話会社大手のファーウェイが、米国から追い出されたのも覚えている方は多いでしょう。

また、ファーウェイだけではなくアメリカ国内におけるティックトックの利用もトランプ大統領は禁止すると表明していました。

ティックトックの利用については、つい最近バイデン大統領が撤回しましたが、今後も中国企業の米国内からの追い出しの可能性は否定できません。

半導体の技術は携帯電話や動画アプリに必要不可欠なものであり、アメリカと中国が喧嘩することによって最も影響がある分野であるといえるでしょう。バイデン政権の中国政策に半導体業界は大きく左右されるのです。

建設産業

建設業界への影響については、大規模なインフラ投資を行う方針のもと、公共投資が拡大する見込みで、米国での事業拡大を狙う日系建設会社や機材メーカーにとっては事業機会の拡大が期待されます。

インフラ向け公共投資は環境関連を中心に幅広い分野に及ぶ見込みで、道路や橋、緑地、水道、送電網、ブロードバンド、EV充電ステーションなどが対象になるとみられています。トランプ前大統領は、巨額の公共事業を行ったことにより株価を劇的に回復させました。

10,000円台半ばで推移していたNYダウはトランプ前大統領の政策によって30,000円台まで上昇したのです。トランプ前大統領の政治手腕には、様々な?がつくことは否定できないが、政策実行能力は間違いなく高かったといえます。

 

もし、バイデン大統領もトランプ前大統領のよう強力な政治手腕を発揮することができ、巨額の公共事業を本当に実行することができれば、アメリカの株価はさらに上昇することが期待できるといえるでしょう。

アメリカの株価は日本の株価に大きな影響を与えます。もし、さらにアメリカの株価が上昇すれば、建設業界のみならず日本企業全体に大きな恩恵をもたらすことになるでしょう。

小売産業

最後に、小売業界への影響を見ていきます。小売売上高は2020年の3月から5月にかけて大幅に落ち込みましたが、アメリカ政府の個人所得補填策もあって比較的堅調に現在は推移しています。

しかし、今後の消費動向はコロナ観戦の際拡大や議会で議論中の政府支援追加策の動向によるとみられます。小売売上高を販売チャネル別に見るとオンライン販売の伸びが大きいです。

しかし、百貨店やアパレルなどは苦戦が続いていることから日系の小売及び消費財企業にとってはチャネル戦略が一段と重要になるとみられます。

 

2020年のコロナウィルスは人々の生活様式を一変させました。人と接触をすることが難しくなったためDX (デジタルトランスフォーメーション(が非常に注目を浴びました。

このDXブームにいち早く乗ったのがアメリカでした。ビデオ会議システムのズームや動画配信のNetflix、クレジットカードのスクエアなど今までにはないビジネスモデルを持っていた会社が大きく進展。

このことは、当然、日本にも大きな影響を与えました。

リモートワークを行うことが当然になり、インターネット通販も大きく進捗をしました。今後もこの傾向は続いていくとみられ、小売を始めとするアメリカ企業の動向には一層の注意が必要でしょう。

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まとめ

今回はバイデン政権が与える日本経済の影響をテーマに説明をしました。海外FXを行う上で直接関係ないかもしれませんが、政治動向の基礎情報については知っておくべきです。なぜなら基礎情報をしっかり知っていると為替相場の予想が立てやすくなるからです。

かなり難しいお話が多かったですが、ぜひ何度も見返していただきアメリカと日本の関係についてしっかりご理解いただければ幸いに思います。

また、米ドル円は今後も円安になる目算が強く取引妙味が非常に高い通貨ペアです。

今回紹介したBigBossは米ドル円の基本スペックが非常に高く万人におすすめできるFX会社になります。ぜひBigBossで米ドル円の取引をしていただき大きな利益を狙っていただければ幸いです。

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