
FXでは、「個人」もしくは「法人」のどちらでトレードするかによって、受けられる恩恵や、支払うべき税金が変わってきます。
このため、特に専業トレーダーの人たちは、個人としてトレードを続けていくべきか、法人化すべきかと悩む時が来ると言われています。
国内FXの場合、法人化することによってレバレッジ25倍制限を突破することができ、それを狙う人もいます。
一方で、海外FXで法人口座を作り、法人としてトレードすることにメリットはあるのでしょうか?
今回は海外FXの法人口座や法人化について説明していきます。
目次
法人化の一番のメリットは「節税」!
海外FXは国内FXと税金の課税方式が異なります。
国内FXではどんなに稼いでも税率が20.135%と固定ですが、海外FXは稼いだ額に応じてかかる税金が増えていく「累進課税」が適用されています。
このため、国内FXよりも節税に力を入れる必要があります。
年収431万9500円の時点で海外FXの税率は、国内FX同様20.135%となりますので、そのラインまでは海外FXの方が税金が安く済む計算となります。
ところが、このラインを超えると、かかってくる税金は国内FXよりもどんどん重くなっていきます。特に、専業トレーダーにとってはこれが死活問題で、なんとか税金を安く抑えたいと思い、たどり着くのが「法人化」というわけです。
実は、個人と法人では税率は大幅に変わります。法人としてトレードを行っていくと年収800万以上で税率が25.5%の一律課税となります。
ちなみに個人でトレードを行う場合、年収が800万の場合だと税率は23%ですが、900万円を超えるところで33%に上がります。そう考えると、年収900万の時点では法人の方が納める税金が少ないということがわかりますね。専業トレーダーでこれくらい稼ぐ、あるいはこのライン付近を稼ぐ人にとっては悩ましい問題だということがわかると思います。
役員報酬での節税
役員報酬での節税は、奥様や旦那様がいる方にとってはかなり有効な方法となります。法人化して、得た収益から役員報酬という形で、自分や配偶者に報酬を分配します。こうすることによって会社にかかる税金を抑えることができるようになります。
経費計上による節税
個人トレーダーでもできることですが、法人となれば最も大事な節税につながるのが「経費」です。これは、FXトレードに関わる支出の分を差し引いて所得を計算することができるものです。
申告する所得が少なくなれば、その分かかる税金も少なく抑えることができます。
たとえば、下記の項目において経費計上することができます。
- 人件費
- 消耗品費
- 交際費
- 旅費交通費
- 研究開発費
- 新聞図書費
- 通信費
これらの項目に関係する支出に関しては、経費として計上することができます。細かい内容に関しては税理士等の専門家に相談してみるのが賢明ですが、かなり多くの支出が経費として認められますので、確認してみるのがおすすめです。
損金の繰越ができる
これが最も重要なことかもしれませんが、海外FXは個人でのトレードの場合、損金を繰り越せないというデメリットがあります。しかし、国内FXの場合、個人でも3年間は損金を繰り越すことができます。海外FXにおけるこのデメリットが、法人化することによって解消されるのです。
海外FXトレードのために法人口座を作った場合、その損金を10年間繰越しできるようになります。
このメリットは、例えば赤字を出した翌年に、大きな利益を出した時に発揮されます。個人のトレードの場合、この利益分に対してそのまま税金が発生しますが、法人の場合は昨年の赤字を繰り越せるので、赤字と利益を差し引きして申告することになります。すると、申告所得が低くなるので節税につながるというわけです。
「社長」という肩書は使える
専業FXトレーダーは個人でやっていると、要するに「ニート」のような扱いを受けることがしばしばあります。きちんと稼いでいても、肩書や地位のような社会的信用を証明するものがないので、クレジットカードの審査に落ちてしまう例も多々あります。
これに対し、法人化することによって、会社を設立し、「社長」というポジションに就くことになるでしょう。この肩書が結構使えるのです。社旗的信用度が上がるのは、実生活で割と有益となります。
法人化のデメリットもある
法人化によって生じるデメリットについても簡単に触れておきましょう。
- 会社の設立、維持するのに費用がかかる
- 健康保険料や社会保険料の支払い義務が生じる
- 収益を自由に使えなくなる
- 含み益にも税金がかかる
これらの面倒を乗り越えても、納める税金を少なくしたいほど稼いでいる個人トレーダーは迷わず法人化するべきですが、微妙なラインにいる方で迷っている場合はもう少し考えてみるのもよさそうです。
一度法人を立ち上げてしまうと、FXをやめたとき、会社を清算するにもかなりの労力と費用が必要となります。FXを長く続けていくのであれば良いかもしれませんが、今だけ稼げているからという短期的な考えでしたら、少し待ってみるのも良いでしょう。
海外FXで法人口座を作るには?
ここからは海外FXの法人口座開設の話になっていきます。
海外FXの法人口座開設は実に簡単で、書類さえあればオンラインで簡単に開設することができます。
ところが、実は法人口座を扱っていない海外FX業者もあります。
法人口座を作れない海外FX業者もある
実は、日本人トレーダー人気No.1とされているXMでは、日本人の法人口座を作ることができません。以前は作れたようですが、現在のところ開設できません。のちのち法人口座開設を考えているのであれば、法人開設ができる会社にも目星をつけておいた方がよいでしょう。
法人口座を開設できる海外FX業者とは?
たとえば、最大レバレッジ1000倍で有名なGEMFOREXは法人口座の開設ができます。法人口座も、オールインワン口座・ノースプレッド口座の2種類から開設することができ、法人だからといってトレードに何か制約が生まれることはありません。基本的に個人口座と法人口座でできることに差はありません。
法人口座を開設できる海外FXですが、
- AXIORY
- HotForex
- TITANFX
- LAND-FX
- iFOREX
- TRAD VIEW
- IS6FX
- FBS
- Iron FX
- FxPro
- FXDD
- Exness
- MyFXMarkets
- BigBoss
といったものがあります。
上記以外にも、法人口座を開設できる会社はありますので、気になる海外FX業者があれば調べてみましょう。
法人口座を開設するために必要な書類
- 法人確認書類
- 法人住所確認書類
- 役員の身分証明書
- 役員の現在証明書
簡単に言えば、個人口座を開設する際に必要な書類に合わせて、会社の証明書類が必要になります。会社によって、認められる書類が異なりますのでしっかり確認する必要があります。
まとめ
FXによる収入によっては、個人口座よりも法人口座でトレードを行った方が節税対策になるということはお分かりいただけたかと思います。特に、累進課税の場合、収入によって税率が大幅に変わっていくため、少しでも手元にお金を残したいと考えるなら、法人口座開設がおすすめです。ただし、法人口座を取扱っていない海外FX業者もありますので、注意が必要です。しっかり調べてから法人口座開設を検討しましょう。