
本記事のテーマは「海外FXの証拠金計算方法」です。
FXトレードをする上で絶対に欠かせない知識ですので、ぜひ最後までお読みください。
目次
証拠金計算方法は海外FXと国内FXで違うの?
あえて「海外FX」「国内FX」という表現を使っていますが、両者で「証拠金計算方法」に差があるわけではありません。計算方法を覚えればどちらでも通用します。
ただ、この証拠金計算にはレバレッジが大きく関係してきます。
そして、
海外FX:数百~1000倍のところが多い
という感じですから、「計算方法」そのものは一緒ですが、「計算しているときのなんとなくの感覚」は違うものになるかもしれません。
(ただ、その『感覚の違い』に気を取られると分かりにくくなるので、むしろスルーしましょう)
海外FXにおける必要証拠金計算方法
要するに、例えば「100万円分のトレードがしたいなら、100万円用意してください」という単純な話です。
……なのですがFXには「レバレッジ」がありますので、実際には100万円用意する必要はありません。
例えば
「レバレッジ50倍」なのであれば、100万円÷50=2万円。
つまり、2万円だけ用意すればいいという事になります。
そして、そのまま「必要証拠金=2万円」となります。
海外FXには「最大レバレッジ1,000倍」のところがありますが、
その場合は、「必要証拠金=1,000円」となります。
レバレッジの威力はすさまじいですね。
必要証拠金計算方法
海外FXにおける有効証拠金計算方法
そして計算式としては、
となります。
ですから、ものすごくザックリ説明しますが、「口座残高」そのものは100万円だったとしても、「含み損」が70万円あれば、
有効証拠金=100万円+(-70万円)=30万円
となります。
含み損が大きくなると、有効証拠金が少なくなる。
もっと感覚的に言えば、「FXトレードでピンチになればなるほど有効証拠金が少なくなる」と言えます。
海外FXにおける証拠金維持率の計算方法
感覚的に言えば、「必要証拠金は○○円だけど、あなたはいくらお金を持っていますか?」ということですね。
必要証拠金が10万円で、有効証拠金が10万円なら証拠金維持率は100パーセント
必要証拠金が10万円で、有効証拠金が5万円なら証拠金維持率は50パーセント
必要証拠金が10万円で、有効証拠金が20万円なら証拠金維持率は200パーセント
となります。
これもまた「証拠金計算」の一種と言えますが、だいたい掴んでいただけたでしょうか。
では、証拠金維持率計算の練習をしてみましょう。
通貨ペアのレート:100円
取引量:10万通貨
有効証拠金:10万円
まず「取引量」を具体的な金額にしてみましょう。
取引金額=100円×10万(通貨)=1,000万円
本当でしたら1,000万円用意しなければなりませんが、幸いFXにはレバレッジがあります。
必要証拠金=1,000万円÷500=2万円
「必要証拠金の5倍の有効証拠金を持っている」ので、証拠金維持率は500パーセントとなります。
※有効証拠金・必要証拠金計算方法とセットで覚えましょう。
海外FXでは「証拠金維持率500パーセント」を最低ラインにしておくべき
多くの海外FX業者は、証拠金維持率が20~50パーセントになった時点でロスカット(強制決済)をします。
感覚的に言えば、「あなたは証拠金維持率が下がり過ぎてマズいので、もう取引をやめましょう(決済しましょう)」という事ですね。
そしてFXトレードでは、相場が急変すれば証拠金維持率が激動することがあります。
ですから、証拠金維持率は最低でも500パーセント、できれば1,000パーセントをキープすることを心掛けてください。
証拠金計算をして、どうすれば500~1,000パーセントになるかを割り出しましょう。
最悪なのは「『証拠金維持率100パーセントをちょっと超えるくらいでエントリーして、ロスカットまで粘るようなトレード』を毎回すること」です。
証拠金計算の補足:証拠金維持率を高くするには?
証拠金計算方法である、
有効証拠金=口座残高+含み損(含み益)
証拠金維持率=(有効証拠金÷必要証拠金)÷100パーセント
という3つの式を踏まえて、証拠金維持率を高くする方法を考えましょう。
- レバレッジ倍率を上げる
- 取引金額を下げる
- 口座残高を増やす
①レバレッジ倍率を上げる
例えばレバレッジ500倍→1,000倍にすれば、証拠金維持率は2倍になります。
また、レバレッジ25倍(国内FXの限界)→1,000倍にすれば証拠金維持率は40倍になりますよね。
(上記の証拠金計算式に当てはめてみましょう)
②取引金額を下げる
感覚的に言うと、「取引金額を下げると、用意しないといけないお金(必要証拠金)が少なくなる」という感じですよね。
必要証拠金が下がれば、証拠金維持率は上がります。
無理なトレードをせずに、控えめなトレードを心掛けましょう。
③口座残高を増やす(入金する)
感覚的に言えば「有効証拠金を増やすために、口座残高を増やそう」という事になります。
理屈としては、「1」「2」と比べても単純なのではないでしょうか。
ただ、「口座残高を増やす」とは言っても、その際「最悪全額失って良いお金」以外は使わないようにしてくださいね。
最悪なのは「有効証拠金が減ってきた(含み損が増えてきた)→ちょっと入金して証拠金維持率を上げる→さらに有効証拠金が減る→さらに入金する」という状態になる事です。
FXはギャンブルではありませんが、この構図はまさに「負けを認めず、お金を捨て続けるギャンブラー」と変わりませんよね。
1~3の中でもっともおすすめするのは「1:レバレッジ倍率を上げる」です。
「2」も良いかもしれませんが、自分の中のトレードルールが変わってくると、おいそれと取引量を変えることはできなくなるはずです。
「3」については、筆者としては全くおすすめしません。
証拠金計算方法を覚えたら後は計算ツールを使いましょう
「証拠金計算ツール」などがありますので、それに数値を放り込めば計算してくれます(証拠金以外の要素についても計算してくれます)。
プロのトレーダーであっても、普通に計算ツールを使っていますので「いずれ暗算できるようになるべき」などという事はありません。
ただし、「有効証拠金、必要証拠金、証拠金維持率の関係性」や「各種証拠金計算方法」を知識として身につけておくことは必須です!
そうでないと「何だかよく分からない状態でトレードする」ことになるので、精神的に落ち着かなくなるはずです。
まとめ:海外FXの証拠金計算はツールに任せればいいけれど知識としては必須!
海外FXの証拠金計算方法などを紹介しました。
有効証拠金=口座残高+含み損(含み益)
証拠金維持率=(有効証拠金÷必要証拠金)÷100パーセント
という式を理解しましょう。
また、本記事ではあえて
感覚的に言えば~という表現を多用しましたが、「感覚的に理解できれば、計算式を忘れても思い出せるようになる」ので、あえて言葉として使ってみました。
「計算方法を丸暗記したけど、実は意味は分からない」ではなく、「計算方法も理解しているし、感覚的にも理解している」という状態を目指しましょう。