両建てって何?両建て完成のメリット・デメリットについて解説!

海外FX業者の場合、「両建て禁止」と謳っている業者は少なくありません。

なかには、「そもそも両建てってなんだろう?」と不思議に思う初心者トレーダーもいるのではないでしょうか。

今回は、両建てとは何なのか、そしてそのメリット・デメリットとは?ということについて見ていくことにしましょう。

両建てとは?

両建てとは、基本的に、同じ通貨で買いポジションと売りポジションを同時に持つことを指します。

買いポジションと売りポジション両方を持てば、損益の幅が固定されることになるのはおわかりでしょうか。

これって何か意味があるの?と疑問に感じる方もいると思います。

たとえば、決済するかどうか迷っている時、両建てをしておくことで、損益を固定したまま、この後の相場に対する対応について考えることができます。

つまり、そもそもどちらかのポジションを持っている状態で、この後の相場がどうなるかわからない!念のために両建てしておこう!と思って、ここで反対ポジションを保有する、という流れになるわけです。

両建てしている状態の場合、たとえ相場が下がったとしても損益幅は変わらないため、大きな損失ができることはない、という方法です。

この両建てですが、全部で3種類の方法があります。

その3種類の方法について詳しくご説明します。

3種類の両建て

同一口座間で両建てする

まず、同一口座の中で買いポジションと売りポジションの両方を持つケースです。

この場合、上昇トレンドが出ている際に、買いポジションは利益が出ます。

一方で、売りポジションはその分だけマイナスとなります。

このため、価格がどう変動しようと口座残高がマイナスにならない、つまり損益を相殺することとなります。

このケースでは、海外FXのゼロカットシステムが発動する可能性はないので、FX業者側には何のリスクもありません。

同一口座間の両建ては基本的にすべての海外FXで認められている手法となります。

複数口座間で両建てする

さて、複数口座間で両建てする場合はどうでしょう?

海外FXの場合、同じ業者で複数口座を所有することが可能です(すべてではありません)。

このことを利用して両建てする場合、同一口座間の両建てと異なるのは、ゼロカットシステムが発動する可能性があることです。

どちらかのポジションは必ず損失を出すわけですから、そのポジションを持っている口座ではゼロカットされる場合があります。

反対ポジションはというと、そちらはトレーダーにとってプラスになる状態ですから、損失分よりも利益が出る場合もあるということです。

ゼロカットシステムは、トレーダーにとっては口座残高が0を下回らない、借金を背負うことのないというありがたいシステムですが、その損失分をFX会社が肩代わりしてくれるものです。もし損が出てしまえば、FX業者にとってはマイナスなので、複数口座間の両建てを不正行為として禁止としている海外FX業者はあります。

これに違反した場合、口座凍結といったペナルティを受けたり、新規口座開設ができなくなったりすることがあり、トレーダーの不利益にもつながります。

他のFX業者の口座との両建て

他者口座との両建ての場合、複数口座間の両建てを同一業者内でやるか、他のFX業者とで行うかの違いにすぎません。

このことも、同様に禁止されている場合が多いです。

他社の口座で取引状況なんて、バレないのでは?」と思うかもしれませんが、海外FXでは、共通のプラットフォーム(MT4・MT5)を利用している場合が多く、その点からもバレると思っておくのが賢明です。

思っている以上にFX業者側はこれを監視しており、両建てがバレた時には、口座凍結やその時の利益の出金拒否へとつながります。

最大レバレッジが制限されたり、サービスの提供をストップされることもあるので、他のFX業者との両建ては避けるのが一番でしょう。

両建てのメリットとは?

同一口座間以外の両建ては禁止されている場合が多いことから、両建てに何のメリットがあるのだろうか?と不思議に感じる人もいらっしゃるかと思います。ここからは、両建てを行うメリットについて紹介していきます。

損益を固定したまま相場に対しての戦略を練れる

決済するかどうかを迷っている時には、両建てすることで損益幅を固定し、戦略を練ることができます。

この場合、相場の動きに合わせて負けている方のポジションを決済してしまえば、その後は有利にトレードを進めることができるという利点があります。

うねり取りができる

これは主に、株式の取引で使われるトレード手法です。日本では、江戸時代に米相場で行われてきた歴史ある売買方法でもあります。

為替の相場は、上昇相場と下降相場を繰り返しながら形成されます。

下がったものが下がりつつけるということはまずありません。必ずどこかの時点で上昇するはずです。

こうした上下運動によってできる相場の波を「うねり」と呼び、このうねりに対してポジションを組み合わせ、かつ保有するポジション数を調整しながら波乗りしながら利益を得ることを、うねり取りといいます。

たとえば、上昇トレンドが発生している相場の中でも一時的に下降トレンドが発生することはよくあります。こうした時、買いポジションは長期的に保有することで大きな利益を生み出せますし、一時的に売りポジションを保有することで資金効率を上げることもできるのです。

複雑かつ難しい部分があるので初心者にはおすすめできませんが、うまくいけば大きな利益を手にすることができるかもしれません。

両建てのデメリットは?

さて、このように両建てには当然デメリットも存在します。

デメリットというよりも、リスクと表現した方が適切かもしれません。以下見ていきましょう。

うまく機能しなければ損失が2倍になる

たとえば、指標発表などのタイミングで価格が大きく動くことは多いですが、こうした時に起こるスプレッドの変動によって、両建てがうまく機能しない場合があります。

この場合、両建てしている2つのポジションは、基本的に同じポジション量ですので、損失自体も同じ量、つまり2倍になってしまうことがあるのです。

このため、変動が激しい時には両建てはうまくいかないことがあるということを知っておかなければなりません。

相場の変動が激しい時には両建てをしないことをおススメします。

タイミングが難しい

両建てをうまく行うには知識技術が必要です。

たとえば、同一口座間で両建てをしている時に、相場を読んで片方を決済しますが、予想では決済していない方のポジションで利益を上げられるはずが、読み間違ってしまいトータルで損失を生みだしてしまうこともあるのです。

こうなれば、先に決済した方と現在保有している方のポジションの損失を合わせて受け取る形になってしまいます。

これを防ぐためには、決済タイミングをしっかり見極める必要があります

しかしこれは、初心者にはなかなか難しいので、こうした手法を利用したい場合は経験を積んでいくしかありません。

まとめ

今回は、両建てについて紹介してきました。

正直なところ、両建ては中・上級者向けの手法ということが分かったかと思います。

今後、FXトレードをやっていきたいと考える初心者FXトレーダーの方は、できれば、あまり急がず、経験を積んでから両建てに挑戦することがおすすめです。

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