
大きく動いたローソク足の後に、小さな足が収まっている。「少し落ち着いたのかな」と感じる場面を整理するのが、はらみ足やインサイドバーです。ただし、小さい足ができたからといって、次の方向まで決まったわけではありません。
はらみ足は、後の足が前の足の内側に収まる組み合わせです。はらみ線とも呼ばれます。この記事では、実体の範囲を比べる見方と、高値・安値まで含めるインサイドバーを区別し、どの価格を見て判定するかを具体例で解説します。
はらみ足とは?先に大きな足、後に小さな足が並ぶ
Titan FXの公式解説では、直近二本を比べ、後の実体が前の実体の内側へ収まる形を説明しています。同社のツールではヒゲを含める判定も選択できます。解説やツールによって範囲の扱いが異なるため、名前だけで条件が一致すると考えないことが大切です。
本記事では、まず始値と終値で作る実体の内外を確認します。高値・安値を使う場合は、別にその条件を示します。ローソク足の各部分が曖昧なら、先に四本値を確認すると、見た目に頼らず価格を比べられます。
前の足が陽線か陰線か、後の足がどちらかによって組み合わせは変わります。陰陽が切り替わるものだけを採用する手順と、同じ色も含める手順は別です。一度決めた条件を、成功した例に合わせて変えないようにしましょう。
| 比較方法 | 前の範囲 | 後の範囲 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 実体によるはらみ | 始値と終値の間 | 前の実体の内側 | ヒゲが外へ出ることはある |
| インサイドバー | 高値から安値まで | 前の高安値の内側 | 実体だけでは判定しない |
| 複数本のインサイド | 基準となる母線の範囲 | 複数の足が範囲内 | どの足を母線にするか残す |
はらみ足を、二本の始値と終値で確認する
仮に前の足が始値150.00円、終値150.60円の陽線で、次の足が始値150.45円、終値150.25円の陰線だったとします。前の実体は150.00~150.60円、後の実体は150.25~150.45円です。
後の実体の下端150.25円は前の下端150.00円より高く、上端150.45円は前の上端150.60円より低くなっています。このため実体は内側です。長さは前が0.60円、後が0.20円になります。これは計算を確かめるための仮の例です。
ここで後の足の高値が150.80円、安値149.90円だったら、実体は収まっていても、足全体では大きく動いています。「実体が小さいから静かな相場だった」とは限りません。ヒゲを含む値幅も一緒に確認してください。
逆に、高安値が前の範囲へ収まっていても、前後の実体の位置によっては実体同士のはらみにならないことがあります。目で小さく見えるかだけでなく、実際にどの価格より内側なのかを一つずつ比べると混乱を減らせます。
インサイドバーは、高値・安値の内側を見る
FXブロードネットの公式解説では、前の足の価格範囲に後の値動きが収まる形をインサイドとし、大きい基準の足を母線と呼んでいます。母線に対して、複数本が内側へ収まる場合もあります。
例えば母線の高値150.80円、安値149.90円に対し、次の足の高値150.65円、安値150.10円なら、両側が内側です。母線全体の幅は0.90円、次の足は0.55円です。この例では足全体の値幅も狭まっています。
その次の足の高値150.70円、安値150.05円なら、直前の小さい足の範囲は超えていますが、母線149.90~150.80円には収まっています。直前一本に対するインサイドなのか、最初の母線に対するインサイドなのかを記録しておきましょう。
実体を比較するか、ヒゲを含めるか
基準となる足の時刻と高安値
同じ価格に触れる場合を内側に含めるか
直前の一本を使うか、最初の母線を使うか
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同値と、まだ確定していない足の扱い
母線の高値が150.80円で、次の高値も150.80円になることがあります。厳密に低い高値を求める場合は対象外です。同値を認める場合は内側として扱えます。どちらを使うかを明記し、途中で基準を変えないことが重要です。
さらに、足の途中では内側に見えていても、確定までに外へ出る可能性があります。完成したインサイドバーを使うなら、後の足が終わった時刻から判断します。過去チャートに残った形だけを見て、その足の始値で入れたと考えないでください。
形成中の足を使う方法を試すなら、それも別の手順として記録します。途中で形が崩れた例を除外すると、実際には使えなかったはずの完成形だけが残ります。観察の時刻を画像に残すだけでも、見直しやすくなります。
内側へ収まったことと、反転することは別
大きな上昇の後に小さな足ができても、次にまた上へ進む場合があります。下落の途中で一時的に落ち着き、その後さらに下げる場合もあります。はらみ足が出た事実は、上昇または下落への転換を保証するものではありません。
どこに現れたかを見るなら、サポートラインやレジスタンスラインとして前から注目していた場所を使います。形ができた後、その場所へ合わせて線を置くと、最初から判断できたような錯覚が生じます。
また、大きな足の後なら、相対的にほとんどの足が小さく見えることがあります。画面を拡大・縮小した印象だけでなく、価格差を数字で残しましょう。小さい実体でも、ヒゲを含むと大きく振れていた可能性を忘れないことが大切です。
母線を抜けた後の扱いを先に考える
母線の高値・安値を抜ける場面を見る方法があります。ただし、抜けた直後に元の範囲へ戻ることもあります。外へ出たら必ず大きく伸びると考えるのではなく、戻ったときの見直し方も含めて条件を決めます。
仮に母線の高値150.80円を超え、買う価格を150.85円、終了を考える価格を母線の安値より下の149.85円とすれば、差は1.00円です。一方、内側の足を参考に150.05円を使えば差は0.80円になります。同じ入口でも、出口の基準で負う値幅が変わります。
これはどちらの終了価格を勧める例でもありません。損切りの基準と、許容できる金額に応じたロットの確認が必要だという意味です。足が小さく見えるから、損失も小さいはずと決めないようにしましょう。
実際の注文ではスプレッドや約定時の価格も確認します。母線を抜けたというチャート上の判定と、希望する価格で注文が成立するかは別です。価格の目盛りを超えた事実だけで、取引の条件が揃ったとは限りません。
はらみ足と包み足は、前後の大きさが逆
包み足では、後からできた足が前の範囲を覆います。はらみ足では、後の足が前の内側へ収まります。比較する向きが反対なので、前後の足を取り違えないことが大切です。
一本の足の長いヒゲを見るピンバーとも、観察している点は異なります。同じ場所に複数の特徴が現れても、全部が独立した根拠とは限りません。何本の足のどの価格を比べたかを説明できるようにしましょう。
はらみ足・インサイドバーを練習するときの順番
- 基準の足と、後の足の時刻を揃える。
- 実体の範囲と、高安値の範囲を別々に比較する。
- 同値を含めるか、足の確定を待つかを決める。
- 母線を抜けた後、戻った例も同じ期間から残す。
- 注文をしなかった理由も記録する。
はらみ足とインサイドバーは、後の足がどの範囲へ収まったかを整理する見方です。名前だけで反転や大きな値動きを期待するより、比較範囲・母線・確定時刻を揃えることで、小さく見える足を落ち着いて確認できるようになります。
参考資料
定義・計算方法の確認日:2026年10月24日。本文の数値例は説明用の仮定であり、実際の相場履歴ではありません。
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