エリオット波動論とは?意味・基本パターン・FXでの使い方

エリオット波動論とは、相場の値動きには一定の波のパターンがあり、上昇や下落は「推進波」と「修正波」を繰り返しながら進むというテクニカル分析の考え方です。

FX、株式、暗号資産、ゴールド、株価指数など、価格がチャートで動く金融商品で使われることがあります。

特にFXでは、相場のトレンド方向や押し目・戻りの位置、利益確定や損切りの目安を考えるために利用されることがあります。

この記事でわかること

  • エリオット波動論の意味
  • 5波動・3波動の基本パターン
  • 推進波と修正波の違い
  • FXでの使い方
  • 初心者向けの注意点

エリオット波動論とは?

エリオット波動論とは、相場は投資家心理によって一定のリズムを持って動くという考え方です。

基本的には、トレンド方向へ進む5つの波と、その後に反対方向へ調整する3つの波で構成されると考えます。

上昇相場では「上昇5波」と「下落3波」、下降相場では「下落5波」と「上昇3波」が意識されます。

エリオット波動論の読み方

エリオット波動論は、「エリオットはどうろん」と読みます。

英語ではElliott Wave Theoryと表記されます。

米国のラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した相場分析理論として知られています。

エリオット波動論の基本

項目内容
名称エリオット波動論
英語表記Elliott Wave Theory
意味相場が一定の波のパターンで動くと考える分析手法
基本構成推進5波・修正3波
主な用途トレンド分析、押し目判断、戻り判断、利益確定、損切り
関連用語推進波、修正波、フィボナッチ、トレンド、調整波

エリオット波動論は、相場の値動きを「波」として整理するテクニカル分析です。

エリオット波動論の基本パターン

エリオット波動論では、相場は基本的に「5つの推進波」と「3つの修正波」で動くと考えます。

上昇トレンドの場合、価格は第1波、第2波、第3波、第4波、第5波で上昇し、その後A波、B波、C波で調整するとされます。

特徴
第1波新しいトレンドの始まり
第2波第1波に対する調整
第3波最も強く伸びやすい波
第4波第3波に対する調整
第5波トレンドの最終局面
A波トレンド終了後の最初の調整波
B波一時的な戻り
C波本格的な調整・下落になりやすい波

推進波とは?

推進波とは、相場の大きなトレンド方向へ進む波のことです。

上昇トレンドでは上方向へ進む波、下降トレンドでは下方向へ進む波が推進波になります。

エリオット波動論では、推進波は基本的に5つの波で構成されると考えられます。

修正波とは?

修正波とは、推進波で進んだ相場が一時的に反対方向へ戻る波のことです。

上昇トレンド中であれば下落方向の調整、下降トレンド中であれば上昇方向の戻りが修正波です。

基本的には、A波・B波・C波の3つで構成されると考えられます。

推進波と修正波の違い

用語意味
推進波トレンド方向へ進む波
修正波トレンドとは反対方向へ一時的に戻る波

推進波は相場の主方向、修正波は一時的な調整と考えると分かりやすいです。

エリオット波動の5波動とは?

5波動とは、トレンド方向へ進む5つの波のことです。

上昇トレンドでは、第1波、第3波、第5波が上昇方向の波で、第2波と第4波が調整波になります。

特に第3波は最も大きく伸びやすい波とされ、トレンドフォローの狙い目として意識されることがあります。

第1波とは?

第1波とは、新しいトレンドが始まる最初の波です。

まだ多くの市場参加者がトレンド転換に気づいていない段階で発生することが多いです。

そのため、第1波の時点では本当に新しいトレンドが始まったのか判断しにくい場合があります。

第2波とは?

第2波とは、第1波に対する調整の波です。

第1波で上昇した後に、利益確定や戻り売りによって価格が下がる場面です。

ただし、エリオット波動論では、第2波は第1波の始点を下回らないことが基本ルールとされます。

第3波とは?

第3波とは、トレンドが最も強く出やすい波です。

多くの市場参加者がトレンドに気づき、買いまたは売りが集中しやすくなります。

エリオット波動論では、第3波は短くなりにくく、最も大きな値幅になることが多いと考えられます。

第4波とは?

第4波とは、第3波に対する調整の波です。

大きく伸びた第3波の後に、利益確定や一時的な反対売買が出ることで発生します。

第4波は横ばいのレンジ調整になることもあります。

第5波とは?

第5波とは、トレンドの最終局面になりやすい波です。

相場がさらに高値または安値を更新することがありますが、第3波ほどの勢いがない場合もあります。

第5波の後には、A波・B波・C波による修正局面に入る可能性が意識されます。

エリオット波動の3波動とは?

3波動とは、トレンド終了後に発生する修正波のことです。

通常、A波、B波、C波で構成されると考えられます。

上昇5波が終わった後は、A波で下落、B波で一時反発、C波で再び下落するような形が典型例です。

A波とは?

A波とは、5波動が終了した後に出る最初の調整波です。

上昇トレンド後であれば、A波は下落方向の動きになります。

この時点では、まだ一時的な押し目なのか本格的な調整なのか判断しにくいことがあります。

B波とは?

B波とは、A波に対する一時的な戻りです。

上昇トレンド後の調整局面では、B波で再び価格が上昇するため、トレンド再開のように見えることがあります。

しかし、B波の後にC波で再下落する場合があるため注意が必要です。

C波とは?

C波とは、修正波の中で大きく動きやすい波です。

上昇トレンド後であれば、C波は下落方向へ進むことが多く、A波より大きくなる場合もあります。

C波を見誤ると、押し目買いのつもりが大きな損失につながることがあります。

エリオット波動論の基本ルール

エリオット波動論には、波を数えるうえで基本とされるルールがあります。

ルール内容
第2波は第1波の始点を超えない上昇波なら第2波は第1波の開始地点を下回らない
第3波は最短になりにくい第1波・第3波・第5波の中で第3波が最も短くなることは少ないとされる
第4波は第1波の価格帯に入りにくい一般的には第4波が第1波の高値付近を大きく割り込みにくいとされる

ただし、実際の相場ではきれいな形にならないことも多いため、ルールを絶対視しすぎないことが大切です。

エリオット波動論とフィボナッチの関係

エリオット波動論では、フィボナッチ比率と組み合わせて使われることがあります。

たとえば、第2波や第4波の押し目が、38.2%、50%、61.8%付近で止まるかどうかを見ることがあります。

また、第3波や第5波の伸びを予測する際に、フィボナッチエクスパンションが使われる場合もあります。

フィボナッチとは?

フィボナッチとは、相場の押し目や戻り、目標価格を考える際に使われる比率です。

代表的な比率には、38.2%、50%、61.8%、100%、161.8%などがあります。

エリオット波動論では、波の長さや調整幅を判断する補助ツールとして使われます。

エリオット波動論とトレンドの関係

エリオット波動論は、トレンド相場で特に使われやすい分析手法です。

上昇トレンドでは、上昇5波を探し、どの波にいるのかを考えます。

下降トレンドでは、下落5波を探し、戻り売りや利益確定の位置を考える材料にします。

エリオット波動論とレンジ相場の関係

レンジ相場では、エリオット波動のカウントが難しくなることがあります。

価格が一定範囲で上下しているだけの場合、5波動や3波動がはっきり見えないことがあります。

レンジ相場では、無理に波を数えず、サポートラインやレジスタンスラインを併用することが大切です。

エリオット波動論とFXの関係

FXでは、ドル円、ユーロドル、ポンド円、ゴールドなどのチャート分析にエリオット波動論が使われることがあります。

トレンドの初動、押し目、戻り、最終局面を考えるための材料になります。

ただし、波の数え方には主観が入りやすく、人によって判断が異なる点に注意が必要です。

FXでエリオット波動論を使う場面

場面使い方
トレンドの確認現在が上昇波なのか下降波なのかを考える
押し目買い第2波や第4波の調整後を狙う
戻り売り下降トレンド中の一時反発後を狙う
利益確定第5波終了やC波到達を目安にする
損切り波動カウントが崩れる価格を撤退目安にする

エリオット波動論と押し目買いの関係

押し目買いとは、上昇トレンド中の一時的な下落を狙って買う方法です。

エリオット波動論では、第2波や第4波の調整が終わった後に買いを検討することがあります。

特に第3波を狙う買いは、値幅を取りやすいと考えられることがあります。

エリオット波動論と戻り売りの関係

戻り売りとは、下降トレンド中の一時的な上昇を狙って売る方法です。

下降5波の中では、第2波や第4波にあたる戻りで売りを検討することがあります。

ただし、戻りが想定以上に強い場合は、波動カウントが間違っている可能性もあります。

エリオット波動論と損切りの関係

エリオット波動論を使う場合でも、損切りは必須です。

たとえば、第3波を狙って買ったのに、第2波の安値を明確に下回った場合、想定した波動が崩れた可能性があります。

そのような場合は、損切りして再度カウントを見直すことが大切です。

エリオット波動論と利益確定の関係

エリオット波動論では、第3波や第5波の終点を利益確定の目安にすることがあります。

第5波が終了すると、その後A波・B波・C波の調整に入る可能性があるためです。

ただし、第5波が想定以上に伸びることもあるため、トレーリングストップなどを併用する方法もあります。

エリオット波動論とスキャルピングの関係

スキャルピングでは、エリオット波動論を細かい時間足で使う人もいます。

ただし、短時間のチャートではノイズが多く、波のカウントが難しくなります。

初心者がスキャルピングでエリオット波動論を使う場合は、無理に細かく数えすぎないことが大切です。

エリオット波動論とデイトレードの関係

デイトレードでは、1時間足や15分足などで波の流れを確認し、短期の売買判断に使うことがあります。

上位足でトレンド方向を確認し、下位足でエントリータイミングを探す方法があります。

ただし、重要経済指標や要人発言で波動が崩れることもあるため、ファンダメンタルズ要因にも注意が必要です。

エリオット波動論とスイングトレードの関係

スイングトレードでは、日足や4時間足でエリオット波動論を使うことがあります。

数日から数週間のトレンドを狙う場合、現在が第3波なのか、第5波なのか、修正波なのかを考える材料になります。

スイングトレードでは、波のカウントだけでなく、スワップポイントや経済イベントも確認しましょう。

エリオット波動論のメリット

相場の流れを整理しやすい

値動きを波として見ることで、現在の相場がトレンド中なのか調整中なのかを考えやすくなります。

エントリー候補を考えやすい

第2波や第4波の調整後など、押し目買いや戻り売りの候補を探しやすくなります。

利益確定や損切りの目安になる

波動カウントが崩れた場所や、第5波終了が意識される場所を判断材料にできます。

フィボナッチと組み合わせやすい

押し目や戻りの深さ、目標価格をフィボナッチで補助的に考えることができます。

エリオット波動論のデメリット

波の数え方に主観が入りやすい

同じチャートを見ても、人によって第3波と見るか、まだ第1波と見るか判断が分かれることがあります。

後から見ると分かりやすいがリアルタイムでは難しい

過去チャートではきれいに見える波も、実際の取引中には判断が難しい場合があります。

レンジ相場では使いにくい

方向感のない相場では、波動カウントが何度も変わりやすくなります。

必ず理論通りに動くわけではない

相場は経済指標、中央銀行、地政学リスク、突発ニュースなどで大きく変わることがあります。

エリオット波動論でよくある失敗

失敗例注意点
無理に波を数えるきれいな波がない相場では無理に当てはめない
第3波だと決めつける想定が外れた場合の損切りを決める
修正波を軽視するA波・B波・C波の調整で大きく動く場合がある
上位足を見ない短期足だけでなく長期足の流れも確認する
損切りしない波動カウントが崩れたら撤退する判断も必要

エリオット波動論を見るときの基本手順

1. 大きな時間足でトレンドを見る

まずは日足や4時間足など、上位足で大きな流れを確認します。

上昇トレンドなのか、下降トレンドなのか、レンジなのかを整理します。

2. 5波動があるか確認する

トレンド方向に5つの波が見えるかを確認します。

第1波から第5波までを無理なく数えられるかがポイントです。

3. 修正3波を確認する

5波動が終わった後に、A波・B波・C波の調整が出ているかを見ます。

修正波の途中でエントリーすると、逆行しやすい場合があります。

4. フィボナッチを使う

押し目や戻りの候補として、38.2%、50%、61.8%などを確認します。

波動カウントとフィボナッチが重なる場所は、意識されやすい価格帯になることがあります。

5. 損切り位置を決める

エントリー前に、どの価格を抜けたら波動カウントが崩れるのかを決めます。

損切り位置を決めずに取引すると、想定外の損失につながります。

6. 他の分析と組み合わせる

移動平均線、水平線、トレンドライン、RSI、MACDなどと組み合わせると判断しやすくなります。

エリオット波動論だけで判断しないことが大切です。

エリオット波動論と移動平均線の関係

移動平均線は、相場のトレンド方向を確認するために使われます。

エリオット波動論で第3波を狙う場合、移動平均線が上向きで価格が上にあるかを確認することがあります。

波動カウントと移動平均線の方向が一致していると、トレンド判断の補助になります。

エリオット波動論とRSIの関係

RSIは、相場の買われすぎ・売られすぎを見るための指標です。

第5波で価格が高値を更新しているのに、RSIが高値を更新していない場合、勢いの低下が意識されることがあります。

このような状態はダイバージェンスとして注目される場合があります。

エリオット波動論とMACDの関係

MACDは、トレンドの方向や勢いを確認するために使われるテクニカル指標です。

第3波ではMACDが強く伸びることがあり、第5波では勢いが弱くなる場合があります。

波動カウントとMACDを組み合わせることで、トレンドの強弱を確認しやすくなります。

エリオット波動論と海外FXの関係

海外FXでは、高レバレッジを利用できる場合があるため、波動分析によるエントリー精度を高めたいと考える人もいます。

ただし、エリオット波動論は確実に未来を予測する方法ではありません。

高レバレッジで波動カウントを過信すると、カウントが外れたときに大きな損失につながります。

海外FXでエリオット波動論を使うときの注意点

ロットを大きくしすぎない

エリオット波動論で第3波に見えても、実際には別の波である可能性があります。

高レバレッジで大きなロットを持つと、少しの逆行でも損失が大きくなります。

損切りを必ず設定する

波動カウントが崩れた場合に備えて、損切りラインを決めておくことが大切です。

重要指標を確認する

FOMC、米雇用統計、CPI、日銀会合などの重要イベントでは、テクニカル分析が一時的に機能しにくくなることがあります。

短期足だけで判断しない

1分足や5分足だけで波を数えると、ノイズに振り回されやすくなります。

上位足の流れを確認してから短期足を見ることが大切です。

エリオット波動論で初心者が注意すべきこと

正解のカウントは一つではない

エリオット波動論では、同じチャートでも複数の数え方ができます。

自分のカウントが絶対に正しいと決めつけないことが重要です。

後付け分析になりやすい

過去チャートではきれいに5波・3波が見えても、リアルタイムでは判断が難しいことがあります。

取引前には、必ず損切りと利確の条件を決めておきましょう。

レンジ相場で無理に使わない

方向感のない相場では、波動カウントが頻繁に変わります。

波が分かりにくいときは、無理に取引しない判断も大切です。

ファンダメンタルズも確認する

FXでは、金利、経済指標、中央銀行発言、地政学リスクなどで相場が急変することがあります。

エリオット波動論だけに頼るのではなく、相場材料も確認しましょう。

エリオット波動論が向いている人

エリオット波動論は、以下のような人に向いている場合があります。

  • チャート分析を深く学びたい人
  • トレンド相場の流れを整理したい人
  • 押し目買いや戻り売りを学びたい人
  • フィボナッチ分析を使いたい人
  • 中長期の値動きを考えたい人

相場の大きな流れを波として捉えたい人にとって、エリオット波動論は役立つ考え方です。

エリオット波動論が向いていない人

エリオット波動論は、次のような人には難しく感じる場合があります。

  • シンプルな売買ルールだけを使いたい人
  • 波を数えるのが苦手な人
  • 短期足だけで取引したい人
  • 損切りを設定しない人
  • 分析を絶対視してしまう人

エリオット波動論は便利な分析手法ですが、主観が入りやすいため、初心者は慎重に使う必要があります。

エリオット波動論の注意点

エリオット波動論は、相場の値動きを5波動と3波動で整理するテクニカル分析です。

トレンドの流れや押し目・戻りの候補を考えるうえで役立つ一方、波の数え方に主観が入りやすいという弱点があります。

初心者は、エリオット波動論を「相場を整理するための補助ツール」として使い、損切り、ロット管理、他のテクニカル分析、経済指標の確認と組み合わせることが大切です。

よくある質問

エリオット波動論とは簡単に言うと何ですか?

相場は一定の波のパターンを作りながら動くと考えるテクニカル分析のことです。

エリオット波動論は何と読みますか?

「エリオットはどうろん」と読みます。

エリオット波動論は英語で何ですか?

英語ではElliott Wave Theoryと表記されます。

エリオット波動論の基本は何ですか?

基本は、トレンド方向へ進む5波動と、その後に調整する3波動です。

第3波が重要と言われる理由は何ですか?

第3波はトレンドが最も強く出やすく、大きく伸びることが多いと考えられるためです。

エリオット波動論はFXで使えますか?

はい。ドル円、ユーロドル、ポンド円、ゴールドなどのチャート分析で使われることがあります。

エリオット波動論は当たりますか?

必ず当たるわけではありません。波の数え方に主観が入りやすく、相場環境によって機能しにくい場合もあります。

初心者はエリオット波動論を使うべきですか?

基本を学ぶ価値はありますが、最初から複雑に使いすぎず、トレンド判断や押し目・戻りの補助として使うのがおすすめです。

まとめ

エリオット波動論とは、相場の値動きには一定の波のパターンがあり、推進5波と修正3波を繰り返しながら動くというテクニカル分析の考え方です。

上昇トレンドでは第1波から第5波までの上昇波があり、その後A波・B波・C波の調整が起こると考えます。

FXでは、トレンドの方向、押し目買い、戻り売り、利益確定、損切りの目安を考えるために利用されることがあります。

ただし、エリオット波動論は波の数え方に主観が入りやすく、必ず理論通りに相場が動くわけではありません。

初心者は、エリオット波動論を万能な予測手法としてではなく、相場の流れを整理するための補助ツールとして理解し、フィボナッチ、移動平均線、水平線、損切り、ロット管理と組み合わせて慎重に活用しましょう。

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