
株やFX以外の投資のひとつに「バイナリーオプション」があります。前述の2つに比べると知名度は落ちますが、バイナリーオプションは非常のわかりやすい投資として、一部の投資家の中で利用されているものです。
そんなバイナリーオプションはどんな仕組みで動いているのでしょうか?今回はバイナリーオプション初心者に向けてバイナリーオプションの仕組みについて見ていきたいと思います。
目次
バイナリーオプションとは?
バイナリーオプションは、通貨ペアの為替レートが一定時間経過した後、指定レートより上か下かを予想する取引のことです。バイナリーとは二進法のことで、0か1かで表現されるものです。また、オプションとは、オプション取引を言いますが、決まった日時に決まった値段で購入または売却する権利を売買する取引を意味します。つまり商品を購入する取引ではなく、いつ何時に「〇〇円で購入する権利」を売買しているわけです。
バイナリーオプションの取引フロー
バイナリーオプション取引ですが、以下のように取引スタートから支払い完了までは5つのステップで進みます。
ステップ1. 通貨ペア選択
値動きしているあらゆる通貨の中から取引する通貨ペアを選択します。ここで選ぶことができる通貨ペアは「米ドル/円」「ユーロ/円」「ポンド/円」などさまざまです。取り扱い通貨ペアはバイナリーオプション業者によっても異なります。どの通貨ペアを選ぶべきか悩んでしまうといった場合には、クロス円の中でも流通量が多くなじみの深い「米ドル/円(USD/JPY)」を選択すると安心です。
ステップ2. 一定時間後の為替レートを選択
次に先ほど選択した通貨ペアが一定時間経過したあとに「上がる」のか「下がる」のかを予想します。取引を素早く終了させたい場合には、判定時間を1分や5分で設定すると良いでしょう。しかし、ゆったり時間をかけたい場合には、30分や1時間といった時間も選択可能です。
ステップ3. チケット購入
通貨ペアを決めて値動きの予測を行ったら「上がる」か「下がる」かのチケット購入を行います。自由に金額設定は可能です。チケット購入をもって取引スタートとなります。
ステップ4. 取引結果確定
チケット購入してから判定時刻が経過すると取引結果が出ます。ここで「上がる」「下がる」の値動きが当たったかどうかが自動判定されます。
ステップ5. 支払い
一連の取引の中で値動きの予測が当たればチケット購入金額に加えて報酬を受け取ることができます。一方、外れた場合には報酬はなく、チケットの購入金額を失ったうえ取引終了となります。
バイナリーオプションで知っておくべき4つの言葉
バイナリーオプションでは、仕組みを知る上で知っておくべきワードがあります。
- 権利行使価格
- チケット費用
- 判定時間
- ペイアウト
それぞれ順を追ってみていきましょう。
権利行使価格
権利行使価格とは、上がるか下がるかを決める基準となる価格のことを言います。「ストライクプライス」「エクサイズプライス」とも呼ばれます。バイナリーオプションではあらかじめ指定されています。コールオプションの場合には、この権利行使価格で原資産を買い付けることができ、プットオプションの場合には、この権利行使価格で原資産を売り付けることが可能となります。
チケット費用
バイナリーオプションにおけるチケットとは、投資する際の1口あたりの購入費用のことを言います。このチケット費用は現在の価格と目標レートとの差によって値段が変動します。そして、値段の安いチケットは利益が大きくなるものの当たりにくく、値段が高いものは利益が少ないものの当たりやすいのが特徴です。そのため、チケット費用とペイアウトのバランスに注意しながらバイナリーオプションを行う必要があります。
このチケットですが、判定時刻に到達する前に売却することも可能です。それにより、利益を確定させたり、損失を軽減することもできます。もし最初に想定した予想から大きく外れそうな場合には、そのように事前に売却してみるのも良いでしょう。
判定時間
判定時間とは、バイナリーオプションの取引結果を判定する時刻を言います。バイナリーオプションにおいてこの判定時間は1日に10回程度存在します。
ペイアウト
バイナリーオプションのペイアウトとは、利益の払い戻しのことを言います。判定時刻に権利行使価格を上回る、または下回り勝つことができれば、ペイアウトが行われます。ただし予想が外れれば当然ながらゼロとなります。
バイナリーオプションの取引タイプについて
ここからは、バイナリーオプションの取引タイプについて見ていきたいと思います。
バイナリーオプションには3つの取引タイプがあります。
- ラダー取引
- レンジ取引
- ワンタッチ取引
それぞれ細かく見ていきます。
ラダー取引(ラダーオプション)
バイナリーオプションの中でもっとも一般的な取引方法となるのが「ラダー取引(ラダーオプション)」です。これは単純に、目標レートよりも上がるか下がるかを予測するものであることから「ハイロー」と呼ばれることもあります。
High:目標レート以上と予想した場合に選択
Low:目標レート未満と予想した場合に選択
レンジ取引(レンジオプション)
レンジ取引(レンジオプション)とは、2つの目標レートの幅に収まるか収まらないかを予測する取引方法を言います。一定時間レンジ相場が続くという予想ができる際に最適な取引方法となります。目標レートの内側であれば「IN」を、目標レートの外側であれば「OUT」を選びます。ただし、レンジ相場で取引できる業者はラダー取引ができる業者に比べると少ないといった特徴があります。
ワンタッチ取引(ワンタッチオプション)
ワンタッチオプションとは、設定した時間内に予想が1度でも当たれば利益を獲得できる取引方法を言います。この際に時間を設定するのはバイナリーオプション業者側となっています。目標レートに到達すると予測すれば「タッチ」を、目標レートに到達しないと予測すれば「ノータッチ」を選択します。
これらの3つの取引形態において、取引の仕組み自体は同じです。
バイナリーオプションは投資初心者でも挑戦できる?
バイナリーオプションは非常にルールが簡単で、投資の初心者がスタートするのにも非常に操作がわかりやすい点が魅力となっています。書籍などは少ないため、バイナリーオプションに関する情報を手に入れようとするとネットで探すというのが一般的となりますが、もしもトレードを分析する際には、無料で提供されているツールを利用すれば十分なので、多額なコストをかける必要はありません。またデモ取引を提供しているバイナリーオプションもたくさんあるので、まずはバイナリーオプションがどんなものかを試してみるのも良いでしょう。
バイナリーオプションは、高額なリターンが臨める投資ではありません。しかし、やり方を誤らなければ初心者でも安全に利益を積み重ねられるものとなっていますので、ぜひバイナリーオプションを体験してみることをおすすめします。