
終値があまり変わっていなくても、足の途中では高値や安値を更新していることがあります。デマーカー(DeMarker・DeM)は、そうした高値と安値の更新幅に注目する指標です。価格の強弱を終値だけとは違う切り口で見たいときに、候補になります。
ただし、数字が高ければ売り、低ければ買いと覚えるだけでは、実際のチャートで迷います。何を数え、何を数えていないのか。0.7という数字が何を意味するのかを、仮の計算で確認してみましょう。
デマーカーとは?高値と安値の更新を比べる
デマーカーは、前の足に対して高値がどれだけ上へ伸びたか、安値がどれだけ下へ伸びたかを使います。上へ伸びた分と下へ伸びた分を一定期間で平均し、両者の中で上側の占める比率を求めます。
高値が前と同じ、または前より低ければ、その足の上側の更新幅はゼロです。安値が前と同じ、または前より高ければ、下側の更新幅はゼロです。上がらなかった分をマイナスとして集計するのではなく、更新した側の幅を取り出すのがポイントです。
RSIは終値の変化を使う代表的な指標ですが、デマーカーは高値と安値を使います。ローソク足の実体だけ見ていると、デマーカーの数値がなぜ変わったかを見落とすことがあります。ヒゲも含めた高値・安値を確認しましょう。
前の足から高値が上へ伸びた幅
前の足から安値が下へ伸びた幅
終値が高いか低いかを、そのまま比較する式ではない
一つの足で、上下両方の更新が起こることもある
前の足の高値が150.20円、安値が150.00円だったとします。次の足の高値が150.30円、安値が149.95円なら、上側は0.10円、下側は0.05円の更新です。同じ足から、両方の幅が計算されます。
| 足 | 高値 | 安値 | 上側の更新幅 | 下側の更新幅 |
|---|---|---|---|---|
| 基準の足 | 150.20円 | 150.00円 | 比較の基準 | 比較の基準 |
| 次の足 | 150.30円 | 149.95円 | 0.10円 | 0.05円 |
| さらに次の足 | 150.25円 | 150.02円 | 0円 | 0円 |
最後の足は、直前の足の高値と安値の内側に収まっています。このため、どちらの更新幅もゼロです。ただし、これだけでデマーカー全体がゼロになるわけではありません。選択した期間に含まれる、ほかの足の更新幅も計算に残っています。
この例では終値を示していません。それでも更新幅は求められます。計算に何を使うかが分かれば、「陽線なのに指標が強くならないのはおかしい」といった混乱を減らせます。終値の向きと高安値の更新は、必ずしも同じになりません。
0.7という値を、仮の平均から計算する
計算式は、上側の更新幅の単純平均÷(上側の単純平均+下側の単純平均)です。たとえば選んだ期間の上側の平均が0.07円、下側の平均が0.03円なら、0.07÷0.10=0.7になります。いずれも説明用に置いた仮の数値です。
両側の平均が同じなら0.5です。上側が大きければ0.5より上、下側が大きければ0.5より下になります。0.7は「次に上がる確率70%」でも「買い手が70%」でもありません。この計算で上側の更新が占めた割合を表します。
両側の平均がともにゼロなら分母もゼロになります。価格が動かないような特殊なデータでどう表示するかは、使うツールの実装を確認してください。自作の計算で、分からない値を勝手に0.5として埋めると、画面との比較が崩れる場合があります。
0から1の目盛りと、0から100の目盛りを混ぜない
上の式をそのまま計算すると範囲は0から1です。この記事では0.3と0.7という水準を使います。別の画面や説明が100倍の目盛りなら、30と70に対応します。数字だけを覚えず、実際の縦軸を確認しましょう。
設定する水準を一桁間違えると、ほとんど触れない線になったり、常に超えている線になったりします。画面に表示された値、補助線、ツールの説明が同じ目盛りかを、最初に一度照らし合わせておくと安心です。
XM・BigBossの公式サイトから、口座開設へ進めます。
0.7超え・0.3割れを、そのまま注文にしない
0.7を超えるような場面では、計算期間の中で上側への更新が優勢です。しかし、強く上昇する相場では、その偏りが続く可能性があります。高いからすぐ売る、という使い方では、上昇途中の逆張りを繰り返すことがあります。
0.3を割ったときも同じです。下側への更新が多かったことは分かりますが、底を付けたことまでは分かりません。数字が低くなったことを、価格がこれ以上下がらない理由に置き換えないようにしましょう。
レンジ相場を想定するなら、まず価格が行き来している範囲を決めます。帯の上限に近いのか、中央なのかで条件は変わります。同じ0.75でも、直前の高値を抜けた直後と、何度も止められている場所では見るべき点が違います。
価格と指標の不一致は、比較する日時を揃える
価格が高値を更新したのに、デマーカーの山は前より低い。そう見えるときは、まずどの山同士を比較したかを確かめます。後から都合のよい山を選ぶと、不一致をいくらでも見つけられてしまいます。
「直近の二つの確定した高値を使う」など、基準を先に決めておきましょう。価格の高値の時刻と、別の時刻の指標の山を無意識に組み合わせないことも大切です。フラクタルを補助にする場合は、その印を確認できる時点にも注意します。
不一致を見つけても、そこで売買まで決める必要はありません。上昇を追うのを控える、価格のサポートラインが崩れるか待つ、といった使い方もあります。見送るための材料として使うことも、立派な役割です。
期間を変えたら、何が変わったかも記録する
期間を短くすると最近の更新が反映されやすくなりますが、古い足が集計から外れる影響も受けます。指標が急に下がったとき、直近で大きく下落したとは限りません。前にあった大きな上側更新が期間の外へ出た場合も考えられます。
長い期間へ変えると見た目は落ち着くかもしれませんが、判断のタイミングも変わります。勝てなかった場面だけ別の期間に直すのではなく、同じ期間のチャートを一つの設定で確認してください。設定の良し悪しと、相場環境の違いを混ぜないためです。
MT5などで試す場合は、銘柄・時間足・期間を記録します。別の人の画面を参考にするときも、その条件が分からなければ、数字が違う理由を判断しにくくなります。表示された線の形だけを真似しないことがポイントです。
注文数量や損切り幅は、指標と別に決める
デマーカーは比率なので、0.8になったとしても何円動くかは分かりません。ATRで値幅を観察したり、価格の節目を確認したりして、注文する位置と終了する位置を考えます。指標の数字から損失額まで直接決めようとしないようにしましょう。
注文の前には、損切りまでの距離と許容する金額を確認します。数字が極端だから普段より多く持つ、といった変更をすると、指標の判断と資金管理が混ざります。スプレッドも含めて、実際に残る損益で見直す必要があります。
最初は足の確定後だけで練習する
進行中の足では高値や安値が変わるため、デマーカーの値も変わります。確定前に0.7を超えても、終了時には違う数値になることがあります。確定した足で使う方法を試すなら、途中の値で注文した例を混ぜないようにします。
記録は、日時、価格の位置、指標の値、注文した理由、終了した理由を一組にすると見直しやすくなります。うまくいった場面だけではなく、見送った例と外れた例も同じ期間から残しましょう。デマーカーの数値を結論にせず、価格のどの更新を見ているかを説明できる状態にすることが、使い始めるときの第一歩です。
参考資料
定義・計算方法の確認日:2026年10月23日。本文の価格・数値例は説明用の仮定です。
XM・BigBossの公式サイトから、口座開設へ進めます。










